
モルディブのアリ環礁に位置し、リピーターから愛され続ける「ミリヒ・アイランド・リゾート」が、2026年2月『V Villas Maldives at Mirihi – MGallery Collection 』にリブランドし、リニューアルオープンしました。
私がこの島に初めて訪れたのが2015年2月。目に入る全ての景色が絵葉書のように美しく、人工的な不純物を最小限に抑えたミリヒの世界観に感動し、”真の自然美” と ”シンプルさ故の贅沢さ” を体感しました。
ミリヒでは、あの時の感動を超える滞在はもうできないだろうなと、自分の中で完結してしまったので、その後もモルディブには訪れるものの、ミリヒへの再訪を選ぶことはありませんでした。
ですが、先日(2026年10月)新しくリブランドした新生ミリヒに訪れる機会があり、11年ぶりに思い出の地に足を踏み入れることになりました。
-以前の自然美・世界観は残っているのだろうか。。
-新しくなったミリヒも好きになれるだろうか。。
そんな不安を抱きながらの再訪となりましたが、桟橋の先に広がるミリヒの現在の姿を見た途端、私の心配は杞憂に終わりました。当時と変わらぬ美しい景色が私を温かく迎えてくれたのです。

桟橋の両側に広がるビーチは今も変わらず生まれたてのような白さ&きめの細かさで、多くのリゾートが波によるビーチの浸食で頭を悩ませている中、ミリヒだけは時が止まっていたのかと思うほど同じ美しさが保たれていました。


唯一変わっていたのは、白いパラソルの横に植えられていた腰丈ほどの小さなヤシの木が、私の背丈の2倍以上の大きさに成長していたことと、V Villasと描かれた銅製のモニュメントが建てられたこと。

そして、桟橋の先端にある屋根が、正方形から長方形に少し広くなっていたこと。それ以外はほぼ同じ景色で、新生ミリヒになったことを忘れてしまうくらい、懐かしさで溢れていました。


レセプションもあの時とほとんど変わっておらず、ソファに座り、11年前と同じ角度で真っ白な砂、真っ白な天井、ガラス扉から見える緑の木々を眺めていると、当時の感情が蘇ってきます。
”滞在中は裸足で過ごす” というリゾートポリシーもそのまま継続されており、シューズを入れる袋が手渡されたので、すぐにサンダルを脱いで足を砂の上にそっと置いてみると、足触りも前と同じ。砂なんてどれも同じと思われるかもしれませんが、ミリヒのサンドカーペットはビーチよりもきめの細かいサラサラの砂が使用されているので、前回の心地良さが記憶に残っていたのです。

ただ、レセプションデスクの壁の模様はがらっと変わっていたので、青い海や水の雫を表現したモダンアートにしたんだなぁ。。と暫く眺めていると、徐々に水玉模様がある1つのものに見えてきました。

それは、新しくなったミリヒを上から見た全景。
左から、メインジェティ → 水上レストラン(Muraka) → 大きな2つの丸は、バー(Akoya Sea Lounge) & レストラン(Dhonveli) → 上側から下側に一周するように、直線状の水上ヴィラ → 半円状の水上ヴィラ → 今回新設された4つの2ベッドルーム → そしてサービスジェティ。下のリゾートマップと同じなのです。

リブランドすると新しい価値観に塗り替えられ、以前の良さを失ったリゾートを過去に何軒も見てきましたが、ミリヒは新しい中にも「ミリヒらしさ」を残そうとする精神が随所に散りばめられていて、他のリゾートとは少し違う生まれ変わり方だなと感じました。
レセプション→バー→メインレストランは仕切りがなく一続きになっており、すべてにサラサラのサンドカーペットが敷き詰められています。以前はAnba Barという名前だったバーが、今は「AKOYA Sea Lounge」に名称を変え、天井に吊るされた白い紐の装飾により、エレガントな雰囲気になりました。

メインレストランは以前と同じ「Dhonveli」という名のままで、天井からは独創的なライトがぶら下げられ、椅子は丸みを帯びたデザインに変わり、全体的に重厚感が増しました。

以前のように、レストラン=黄色&オレンジのビタミンカラー、バー=青色というイメージカラーで彩られたナチュラルテイストな雰囲気も好きでしたが、「MGallery」ホテルコレクションに変わり、そのブランド理念である”独自の歴史・物語・デザインをコンセプトに、そこでしか味わえない個性的な滞在を提供する” をミリヒでどう体現するのか、新しい姿にも興味があったのです。


素朴さ故の温かさや親しみやすさは薄まってしまいましたが、モルディブらしさは残しつつ、華美になり過ぎないエレガントさとデザイン性が加わり、以前よりも優雅さが増したので、これはこれでいいなぁ。。と前向きに受け入れることができました。
外のテラス席では、何本かあったヤシの木は一部移動されたようでしたが、真っ白なビーチに打ち寄せるターコイズブルーの波を間近で眺められる極上の景色は健在で、ミリヒを象徴する景色の一つがそのまま引き継がれていることにホッと胸を撫でおろしました。

そして今回一番気になっていたのが、新設されたメインプール。
今ではリゾートにプールがあるのは当たり前の世の中になってしまいましたが、ミリヒは自然美を守るため、長い間プールは造らないという考えを貫いてきました。「バーの前に形よく伸びるヤシの木があり、その木陰にビーチクッションが置かれ、木々の間から海が見える」という素朴な風景。何か一つが欠けてしまうとこの美しさは成立しないという、絶妙なバランスの景色がもう見られないのかと思うと少し寂しい気持ちにもなりました。

ですが、新設されたプールを目の当たりにすると、遮るものなく眺められるビーチと海の景色は想像以上に美しく、プールやデッキもこの島のサイズに合わせてコンパクトに造られているので、ミリヒの自然美とうまく馴染んでいるように見えました。

デッキチェアのオレンジや、プール横に置かれた青い壺のオブジェも、以前のミリヒのテーマカラーを引き継いでいるので、全く違和感を感じさせません。

逆に、プールが必要という現代のニーズを、景観を壊すことなく実現するにはどうすればよいかを真剣に考えた末に、ヤシの木と調和のとれたこの空間に辿り着いたんだろうなと思うと、その企業努力に少し胸が熱くなりました。

プールが新設されても、島の南側にあるサービスジェティからはプールの姿は一切見えないので、以前と同じ景色を楽しむことができ、手を加えるところとそのまま残すところの棲み分けが本当に上手だなと感心しました。

ヴィラに関しては、新たにプール付きの2ベッドルームが4部屋新設されたものの、1ベッドルームは造りやレイアウトはそのままに、インテリアと家具を一新。各部屋ごとに異なる絵画が飾られるという面白さはなくなりましたが、部屋全体がぐっと明るくなり、部屋の奥に置かれていたミニバーの配置が変わりソファスペースにゆとりができたの、同じ広さとは思えない開放感が生まれ、私的には新しいお部屋の方が好みです。


そして最後にスタッフの方々について。
リブランド前から働かれていた方が多く残られているので、親しみやすい接客は11年前とほとんど変わりがなく、ゲストを楽しませたいという思いが絶えず伝わってきました。また、勤務歴の長い方は制服に「10+(10年以上勤務)」や「15%+(15年以上勤務)」といったバッジを付けられており、ミリヒで長く働くことに誇りを持たれている姿にも好感が持てました。


今回はプライベート旅行ではなかったので、細かな点まで感じ取ることはできませんでしたが、ゲスト数が少なくて夕食にビュッフェが提供できない場合には、単にアラカルトディナーに変更するのではなく、まるで自分でビュッフェを取ってきたかのように様々な料理が少しずつ盛り付けられたプレートを用意してくれたり、以前にもあったミリヒオリジナルのラム酒(Muraka Rum)を含め常時90種類程のラム酒を取り揃えていたり、ハウスリーフの珊瑚もかなり復活していて、生きた珊瑚と魚影の両方を味わえたりと、ミリヒならではの良さも感じられたので、正直マイナス点が見つかりませんでした。

そして、今回の訪問を終え、新生ミリヒに新たな期待が持てたので、プライベートでモルディブに訪れるなら、「ミリヒの再訪も選択肢に入れよう」という結論に至りました。
この記事が、ミリヒを検討されている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

