シドニー旅行記 2024⑤ ~七色に輝くブルーマウンテンズの朝と素敵な朝食~

2024年3月に6日間旅したオーストラリア、シドニー。1都市だけの滞在でしたが、多くの魅力を感じ、想像以上に刺激を受ける旅になりました。旅行記を通してシドニーの奥深い魅力を感じていただけると嬉しいです。

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ブルーマウンテンズで2泊したホテル『Spicers Sangoma Retreat』で迎える初めての朝。
前日の夜はテラスから星空が見えていたので、このまま澄み切った空のまま朝を迎えられたらいいなぁと思いながら眠りにつき、鳥の鳴き声と共に目が覚めました。

カーテンの隙間から外を覗いてみると、、、地平線が薄っすらと赤く染まっている。。
これならきっと朝焼けが見られるはず!と、充電中のカメラを慌ててセットし、テラスへ出ました。

都会ではなかなか見られない大パノラマの空。
シルエットとして浮かび上がるのは木々のみで、地平線はオレンジに染まり、空にはピンクの光が放射状に放たれ、空気が澄み切っているせいか全ての色に透明感があり、宇宙を思わせる神秘的な空が広がっています。

そんな空から目線を下ろし、森林の先に広がる平原をよく見ると、霧によってできた雲海の姿が。。。

今思えば、前夜は星空が見える程晴れていたし、風も弱く、昼間と夜間の寒暖差も大きかったので、放射冷却が起きて霧が発生するにはぴったりの条件でした。でも、この時はそれを理解するほど頭が回っておらず、ただただ目の前の景色に感謝することで精一杯でした。

ありがとう、、ありがとう、、ありがとう、、、(*˘︶˘人)

昨日目にしていた緑豊かな森林も、陽が昇る前は黒一色のシルエットになり、木のフォルムだけが七色の空に浮かび上がるこの瞬間。色彩がないからこそ、フォルムの美しさに気付くことのできる貴重な時間です。

朝日が姿を現すまでの間、空の色は刻々と変化し続け、ほんの数分の間に空全体がほんのりピンク色に包まれていきました。

それに合わせて鳥の鳴き声にも変化があり、地平線が赤く染まり始めた頃は、聞いたことのないような野鳥の鳴き声だけが響き渡っていたのですが、空が明るくなるにつれて、コケコッコーという声が混じるようになり、その声を聞く度に、未開の地から親しみある土地へと引き戻された気分になります。

そして、どんどん周囲の森林に緑の色彩が戻り始めた頃、真正面の木の間から丸い朝日が顔を覗かせました。
あぁ、なんて神々しい光・・・

朝日が昇ると、周囲の空はいつも通りの見慣れた空色へと変わり、さっきまでの神秘的な空は幻だったのかと感じることがあります。
それ程、日の出と日の入りの前後に見られる空の変化は儚く一瞬の出来事で、その時にしか見られない美しさがあるので、旅先では日の出前に起きることが私の日課になっています。

陽が昇るにつれて、平原を覆っていた霧の雲海も太陽の光で熱せられ、少しずつ消えていくのがわかりました。

朝日が昇り始めた頃は丸い姿がはっきりと見えていたのに、数分もすれば直視できない程の光り輝く太陽に変わり、木々もその光に照らされて黄金色に輝いています。
ただ、少しうろこ雲が出ていること(=うろこ雲は雨の予兆)が気になったので、今日一日ブルーマウンテンズを観光する間は雨が降らないで・・・と祈りつつ、朝の支度を始めることにしました。

『Spicers Sangoma Retreat』の朝食は、8:00am~9:00amと少し短めです。前回の記事にも書いたように、このホテルには全8室しかなく、滞在人数もとても少ないので、短めの営業時間にしているようです。

8時になりレストランへ行ってみると、1組のゲストがちょうど朝食メニューを選んでいるところで、すかさずスタッフの方が私たちの所にもやって来て、好きな席にどうぞと促してくれました。
このレストランには外のテラス席もあるので、私たちは空気がまだひんやりとした外の席にすることに。

朝の光に優しく照らされる緑が何とも爽やかで、ここに居るだけでエネルギーチャージができそうな空間。テラスの前には、デッキチェアが並べられ、その先には森林と平原が見渡せるインフィニティープールがあります。

真っ白なパラソルは木々の緑にも青空にもよく映えて、開いているだけでリゾート気分が高まります。

ほんの些細なことなのですが、パラソルを閉じているのと開いているのでは受ける印象が異なり、利用者がまだいない朝の時間でもパラソルを開いてくれる気遣いが私には嬉しく、”リゾートを感じながら朝食を食べて下さいね” というスタッフの方々の優しさが伝わってくるようでした。

席に着くと、テーブルの真ん中に新鮮なフルーツとプチマフィンが置かれ、メニューが手渡されます。このホテルでの朝食は、ビュッフェ形式ではなく、メニューから1品を選ぶタイプです。

様々な料理が色鮮やかに並ぶビュッフェも良いですが、私は今回のシドニー旅行を通して、アラカルトメニューから好きなものを注文するタイプの方が断然お気に入りでした。というのも、ホテルによって、朝食メニューの種類が異なり、調理方法も個性的で、盛り付け方も想像以上にお洒落なので、どんな料理が出てくるのか毎回ワクワクさせてくれるからです。

6種類のメニューの中から私たちが選んだのは、下記の2つ。

●Deep Dish Pancake – Berry compote, Mascarpone, Hazelnuts, Strawberries
(深皿で焼いたパンケーキ ~ベリーのコンポート、マスカルポーネ、ヘーゼルナッツ、ストロベリー~)
●Eggs cooked your way – Omelette with Toast
(好きな卵料理から、オムレツとトースト)

料理ができるまで、生地にラスベリーが練り込まれたプチマフィンとフルーツを食べながら景色を楽しんでいると、スタッフの方が ”鉄の取っ手が熱いから気をつけてね” と、目にも鮮やかなパンケーキを置いてくれました。バニラエッセンスとはちみつの香りが漂ってきて、食べる前から幸せな気分になります。
旦那さんのオムレツもフワフワで、中の具は、ハムやチーズなど好きなものを入れてくれました。

ホテルの朝食と言えば、個性や遊び心の少ない、万人に受ける王道のメニューを想像してしまうのですが、私が今回滞在したプチホテルや郊外のホテルは、ここはカフェなの?と思うくらい、個性が感じられるお洒落な朝食で、目でも味でも驚かせてくれました。

想像力を掻き立てられるメニュー選びから始まり、素敵な盛り付けに笑顔がこぼれ、一口食べただけでほっぺが落ちそうになる美味しさ。そんな心が豊かになる朝食を楽しんでいると、スタッフの方が再びやってきて、”ごめんなさいね。私、パンケーキに苺をトッピングするのを忘れていたの~” と言って、沢山の苺をパンケーキにのせてくれました。(* ˊᵕˋㅅ)

私的には苺のないパンケーキで充分心が満たされていたのですが、そんなスタッフの方のお茶目な対応にも心が温まり、ますますこのホテルの虜になってしまいました。

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ブルーマウンテンズで迎える朝は想像以上に色彩豊かで、刻々と変化する空・朝の澄み切った空気・野鳥の鳴き声(時々にわとり)を一気に堪能した後は、緑に囲まれたテラスでいただく至福の朝食。この朝の一時を味わえただけでも、『Spicers Sangoma Retreat』を選んだ甲斐がありました。

心も体もエネルギーチャージができたので、いよいよブルーマウンテンズ国立公園に出発です!

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