
2024年3月にシドニーを訪れた際に、オーストラリアってこんなにも奥深い国なんだと深く感動し、帰国後すぐに、「2025年は2月にメルボルン、10月にケアンズに行く」と決めました。1回の旅行でこの3都市を周遊することもできますが、私の旅のStyleは ”1箇所をじっくり味わいたい”。1つの都市を調べると郊外も魅力的に感じ、出来るなら郊外のホテルにも滞在してみたくなるので、1回で複数都市を巡ることは私には不可能なのです。ということで、2025年10月のケアンズ旅は、10日間で私のやりたいことをできる限り詰め込みました。

【計画】ケアンズで何をする?
シドニー→メルボルンの次にケアンズを選んだ一番の目的は「世界最大のグレートバリアリーフ」を見ることでした。そもそも、珊瑚のある海中世界に興味を持つようになったのは、モルディブがきっかけで、その海の豊かさに心奪われ足を運ぶこと18回。ある時、世界最大と言われるグレートバリアリーフは、モルディブの海に勝るのだろうか?と素朴な疑問が湧いてきて、2つの海を見比べてみたくなったのです。
ケアンズでやってみたい2つ目の目的は、約1億3000万年前から存在すると言われている「世界最古の熱帯雨林」を体験すること。主要観光地のキュランダ鉄道やキュランダ村には興味がなく、デインツリー熱帯雨林&モスマン渓谷をもっと間近で感じられるアクテビティはないかと探している時に、熱帯雨林の川をフロートで流れるリバードリフトを見つけ、直観でこれだ!と思い即決しました。
3つ目の目的は、ずっと憧れていたケアンズ北西部(内陸部)の広大な大地にひっそりと佇むラグジュアリーロッジに滞在すること。青い海や熱帯雨林とは真逆の「乾燥した大地」を探検したいと思ったのです。
最後にラグジュアリーロッジ以外の旅の前半部分で拠点とする街を検討。主流なのは「ケアンズ」の街ですが、あまりにも観光地化され過ぎていて私の好みに合わないので、他の街を調べていると、グレートバリアリーフの中でも抜群の透明度と状態の良い珊瑚で知られるエイジンコートリーフに行くツアーや、熱帯雨林のリバードリフトツアーは、いずれもポートダグラスを拠点に催行されており、ケアンズよりも自然豊かでローカルな雰囲気が強かったので、迷わず「ポートダグラス」を拠点にすることに決めました。
《最終的な旅の行程》
1日目:夜 成田発→ブリスベン経由→ケアンズへ <機内泊>
2日目:午後 ケアンズ着、ポートダグラスへ <ポートダグラス(自然保護区)泊>
3日目:午前 ポートダグラスのサンデーマーケット散策
午後 デインツリー熱帯雨林でリバードリフト <ポートダグラス(自然保護区)泊>
4日目:午前 自然保護区のホテル⇒市内のホテルへ移動
午後 フリー <ポートダグラス(市内)泊>
5日目:終日 グレートバリアリーフツアー <ポートダグラス(市内)泊>
6日目:午前 ポートダグラス⇒ケアンズへ
午後 ヘリコプターにて、ラグジュアリーロッジへ <マウント・マリガンロッジ泊 >
7日目:終日 ロッジ主催のアクティビティ体験 <マウント・マリガンロッジ泊 >
8日目:終日 ロッジ主催のアクティビティ体験 <マウント・マリガンロッジ泊 >
9日目:午前 ヘリコプターにてケアンズへ、午後 フリー < ケアンズ泊 >
10日目:早朝 ケアンズ発→ ブリスベン経由 → 成田へ
【計画】ケアンズにいつ訪れる?
時期は、この旅最大の目的である「グレートバリアリーフ」を中心に考えました。ケアンズの乾季は5~11月。その中でも6~8月は、最高気温が25℃前後と海やプールに入るには少し肌寒さを感じることもあるとのことだったので、5月か9~11月で検討。次に考慮したのは風。風が強いとグレートバリアリーフへ行く船の揺れが激しくなり海中の透明度も悪くなるので、比較的風の強い日が多い5月も外すことにしました。
更に、オーストラリア在住(国籍問わず)の方々のブログで、10月~11月中旬までが穴場のベストシーズンと書かれていることが多かったので、最終的に10月を選びました。
そして、実際はどうだったかというと。。。
ポートダグラス滞在の4日間は、1日=晴れ、2日間=晴れ時々曇り、と概ね安定した天候でしたが、グレートバリアリーフに行く日に限って朝からスコール続き!やはり絶対はないんだと落胆しましたが、ツアー会社の掲示板には「本日の海況:CALM(穏やか)/天気:SUNNY(晴れ)」との記載。間違って昨日のデータが残っているんだなと思っていたら、1時間半のクルーズは全く揺れがなく、グレートバリアリーフも晴天だったので、こんなこともあるんだと10月を選んで良かったと思いました。
旅の後半に訪れた内陸部は、乾季時期はほぼ晴れという乾燥地帯なので、全日晴天でした。
旅のダイジェスト
成田21:20発のカンタス航空にてブリスベンを経由し、翌日の13:45にケアンズに到着。前半の4日間は、ケアンズから北へ約65kmの場所にあるポートダグラスに滞在しました。
この街はとにかく緑の美しさが印象的で、自然に生える木々はもちろんのこと、緑以外の色彩を放つ熱帯植物や花も混ざり合っていて、ここはボタニカルガーデン!?と思う程、自然に満ち溢れていました。そして、ケアンズとの大きな違いは高層ビルが建ち並んでいないこと。ブリスベンの税関で「ポートダグラスに滞在するのか~。あそこは素敵な場所だよ!」と声を掛けられた意味が一瞬で理解できました。

そんなポートダグラスの街でどうしても行きたかったのが、毎週日曜日の午前中にアンザック公園(Anzac Park)で開かれる『サンデーマーケット』。これに参加できるように、全体の日程とグレートバリアリーフやリバードリフトなどのアクティビティを組んだほどでした。
マーケットは想像以上に素敵で、緑の木々の間に真っ白なテントがいくつも張られ、

各テントには、地元アーティストによる個性的な小物雑貨やアクセサリー、テーブルウェアなどが次から次と並び、あまりのお洒落さに興奮が収まりません。そして、この淡い雰囲気が南仏のマーケットにそっくりで、南仏好きの私には至福すぎる場所でした。


マーケットの隣りには、緑溢れるポートダグラスの街にぴったりのセントメアリー・バイ・ザ・シー教会があり、きっと海辺に建つ教会はこんな感じなんだろう。。という頭の中の空想をそのまま形にしたような愛らしい佇まい。

教会の先には、椰子の木や大きな木でできた自然のシェードがあり、地元の人々が週末の昼下がりをのんびり過ごすための憩いの場になっていました。

そんな広場の前には手のひらサイズのビーチが広がり、マングローブの木や素朴なボートハウスがあるだけの風景があまりにも心地よく、観光地の喧騒とは無縁の穏やかな空気に包まれていました。

ポートダグラスに4泊したうちの2泊は、街の中心から少し離れた自然保護区にあるホテル『Thala Beach Nature Reserve』に滞在。なぜ街中のホテルに4泊しなかったかというと、森林に囲まれた静かな環境でケアンズの大自然を味わってみたかったからです。

ホテルの敷地内に入ると森林特有の静寂と神聖な空気に包まれ、木々に囲まれた一本道を抜けると、ひっそりと佇む木造りのレセプションが出迎えてくれました。森林の中にあるものの、レストランやコテージは高台に建っているので、木々の間から海が見渡せるという最高のロケーション。


そして私がこのホテルで何より魅力に感じたのが、ホテルの敷地内で様々な風景に出会えることでした。
コテージが立ち並ぶ高台から散策路を下っていくと、目の前に現れるのは手付かずのビーチ。椰子の木の間にビーチチェアだけがそっと置かれていて、自然本来の姿に勝る美しさはないと語り掛けられているようでした。

ビーチに下りてみると人の姿はまばらで、朝食後の散歩では私たち以外に誰の姿もなく、ポートダグラスから15km程しか離れていないのに、こんなにも広大な海を独占できる秘境感を味わえるとは想像もしていませんでした。

他にもいくつか散策路があり、森林を歩いていると、見たこともないような熱帯植物を目の当たりにしたり、

カサカサっと音がした方に目を向けると、木々の間から野生のワラビーが姿を現し、野生動物たちの日常を垣間見たり。。

ホテルの入り口には、椰子の木が何本も植えられたCoconut Fieldがあり、美しく立ち並ぶその姿はポートダグラスを象徴する景色の一つにもなっていて、ホテルの敷地内で様々なポストカードを見ているようでした。

また、更なる絶景を求めて、ポートダグラス発の現地ツアーにも参加しました。
一つ目は、デインツリー熱帯雨林&モスマン渓谷を間近で感じられる『リバードリフト』。
ひと一人が寝そべることのできるフロートを担いで熱帯雨林の中を歩き進むと20分程で川に辿り着き、しばらくの間フロートを水面に浮かべながら川の中を歩いていきます。木々の生い茂る砂地と川とが境界線なく混ざり合う景色を一目見たくて、このアクティビティに参加しました。

川の水量が増してくるとフロートの上に横たわり川の流れに身を任せます。場所によっては流れの速いところもあり、多少のスリルも味わいながら、熱帯雨林の奥深いところに眠る神秘的な世界を全身で体感しました。

二つ目のアクティビティは、1日かけて行く『グレートバリアリーフツアー』。
できる限り美しい珊瑚礁が見られる場所に行きたくて、日帰り圏内で行ける最北端に位置するエイジンコートリーフ(Agincourt Reef)に行くツアーを選びました。ポートダグラスから船で1時間半かけて北に進むと、海の真ん中に巨大なポンツーンがあり、そこを拠点にスノーケリングを楽しみます。出航前はどんよりとした曇り空だったのに、エイジンコートリーフに着くと、嘘みたいな晴天。

深みのあるクリアな青に吸い込まれるように海へ入ると、眼下に広がるのはモルディブとは全く違う海中世界。どちらの海にもそれぞれの良さがあるのですが、一言で表現すると、「モルディブの海は魚たちの日常を間近で体感する」に対し、「グレートバリアリーフの海は地球が創り出した壮大な珊瑚礁を垣間見る」という感じでした。それくらい、珊瑚の種類と色彩の豊かさに驚きました。

珊瑚一つ一つの大きさやボリュームも想像以上で、枝珊瑚の群生地帯も、黄色の蝶が戯れる神秘的な白い森を見ているのかと思うほど広範囲に広がり、珊瑚の付け根がわからないくらい鬱蒼と覆い茂っていました。

そして何より印象的だったのが、花の形をした珊瑚が辺り一面に広がっていて、一つのエリアでこんなにも多くの珊瑚が見られるグレートバリアリーフの偉大さを、身をもって実感しました。

ポートダグラスで、「緑豊かな街並み」「ビーチ」「熱帯雨林」「珊瑚礁」を堪能した後は、一度ケアンズに戻り、次に向かったのが北西に広がる未開の奥地。ケアンズから4WDで約3時間かけて行くこともできますが、ほとんどの宿泊者が選ぶというヘリコプターに乗って約35分、荒野の中にひっそりと佇むラグジュアリーロッジ『マウント・マリガン・ロッジ(Mt Mulligan Lodge)』に到着しました。
ロッジの前にはマウント・マリガンの雄大な壁面と、アボリジニーの言葉に由来する「billabong(ビラボン)=三日月湖」が広がり、信じられないほど極上の景色に包まれています。

レストランやラウンジのあるメインパビリオンには、湖に沿う様にプールが造られており、本物の景色とプールに映り込む景色の両方を味わえる設計は溜息が出るほど美しく、ゲスト皆が思わず口にする「So beautiful..」という言葉を何度耳にしたかわかりません。それくらい幸せな気持ちにさせてくれる景色でした。

この施設には10棟のキャビンと4棟のテントロッジがあり、私が滞在したOutback Roomはゆったりとしたベッドルームに加え、屋外にバスタブのある広いアウトサイドデッキが特徴で、部屋からはマウント・マリガンの姿や三日月湖を眺めることができます。

また各部屋には専用のカートが用意されていて、好きな時に敷地内を自由に運転することができるので、日の出の時間になるとカートで高台まで上がり、山と山の間から顔を出す朝日を眺めるのが日課でした。

朝日を見終わった後にレストランで朝食を食べていると、運ばれてきた料理のお皿にマウント・マリガン・ロッジのロゴが描かれていて、そのロゴとさっき見た山から顔を出す朝日の姿が一緒であることに気付き、そんなちょっとしたことにも感動を感じてしまう極上の演出。

このロッジでの滞在は、全ての食事・飲み物・アクティビティが含まれるオールインクルーシブになっており、プライベートツアー以外は、滞在しているゲスト皆で参加するアクティビティが事前に組み込まれています。
1つ目のアクティビティは、部屋ごとにATV(All-Terrain Vehicle=全地形対応車)が1台割り当てられ、先頭を行くレンジャーの車の後を追う様に、自分達もATVを運転し広大なアウトバックを駆け抜けます。

大きな石や高低差の激しい大地もATVなら何なりと乗り越えて行き、所々停まっては、この地ならではの植物を観察したり、大木に耳をあて幹の中を流れる水の音を聞いたり、見晴台から荒野の大パノラマを眺めたり、小川にダイブして水遊びをしたりと、童心に帰る冒険をしました。

2つ目のアクティビティは、オープンエアの4WDサファリ-バスに乗って、昔の炭鉱や廃村になった史跡などを巡り、この地の歴史や文化に触れます。その途中に、放牧中の牛の群れとも遭遇。

マウント・マリガン・ロッジのホームページに ”curious cow(好奇心旺盛な牛)と遭遇できるかも” と記載があり、好奇心旺盛とはどういう意味なんだろうと気になっていたのですが、みんな私たちの方をじっと見つめてくる姿を目の当たりにして、その意味を理解しました。

アクティビティは日中だけでなく、毎日夕暮れ時になると、どこかでお酒とサンセットを味わえるようなイベントも組み込まれていて、ある日は丘の上に作られた不定期にオープンするバーに皆で集まり、ワインと共に色づく空を眺めました。

ある日の朝は、レンジャーが運転するATVに乗って別のビューポイントに作られたピクニックポイントまで行き、淹れたてコーヒーを飲みながら別の角度から朝日を眺めました。

その帰り道にはロッジ前の三日月湖とは趣の異なる湖を訪れ、マウント・マリガンが映り込む絵葉書のような景色を眺めながら、水辺に佇む野鳥の生態についてレンジャーから話を聞きました。

その時に見た湖の中に立つ枯れ木と木々のリフレクションがモネの絵画のようで、このエリアには一体どれだけの美しい景色が存在するのだろうと、日を重ねるごとに底知れぬ魅力に引き込まれていきました。

夕食はメインパビリオンにあるレストランにて。
宿泊者皆がこの美しい景色を眺められるように、椅子は真横にセッティングされ、朝・昼・夕食を食べにこのレストランへ足を運ぶことだけでも毎回幸せを感じてしまうのに、

毎晩メニューの変わる4コースディナーは、宝石のように美しい盛り付けと洗練された味わいに、感動が2度押し寄せてきて、人里離れた荒野の真ん中でこんなにも本格的な料理をいただけるとは思いもしませんでした。


マウント・マリガン・ロッジに滞在した3日間は、ポートダグラスで味わったものとは全く異色の感動&体験で、今まで経験したことのない世界観を味わうことができました。

そして目に入る全ての景色が唯一無二で、シャッターを切る手が止まらない日々を過ごしました。

そして、最後の1泊は帰国便が早朝出発ということもあり、ケアンズの街に滞在。
やはり街の雰囲気はポートダグラスの方が私好みでしたが、最後に見た夕空は格別の色をしていて、ヤシの木と人々のシルエットが本当に美しく、最高の旅の終わりになりました。

最後に、帰りの機内から見たオーストラリアの大陸と不思議な模様を描き出す東海岸の海。
この景色を見た時に、オーストラリアはどれだけ私に想像の域を超えた景色を見せれば気が済むんだろうと思いつつ、オーストラリアの底力はこんなもんじゃないと言われているような気がして、きっとまた私はこの国に帰って来るんだろうなぁ、と思ったのでした。

これから数回に分けて、ケアンズ旅の魅力をより詳しく伝えていけたらと思います。
お時間がある時に、ブログに遊びに来ていただけると嬉しいです。
