シドニー 旅行記 2024② ~シドニー街歩き・おすすめ絶景スポット~

2024年3月に6日間旅したオーストラリア、シドニー。1都市だけの滞在でしたが、多くの魅力を感じ、想像以上に刺激を受ける旅になりました。旅行記を通してシドニーの奥深い魅力を感じていただけると嬉しいです。

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前回の旅行記①で書いたように、1日目は主にロックス地区を散策しました。

とは言え、1日目は朝シドニーに到着し時間は十分あったので、ロックスの散策の合間に、シドニーとはどういう街なのか全体を把握したいと思い、高い所からシドニーを見下ろせる場所にも行ってみました。

私が訪れたシドニーを見渡せる場所は3箇所、そのどれもが絶景で、シドニーとはこんなにも美しい街なんだと驚かされる場所でした。是非その場所を共有したいと思い書き綴ってみました。

シドニーの全体がわかる展望台 Pyron Lookout

今さっきまで迷路のような細い路地にレトロな建物が立ち並ぶロックスを歩いていたのに、すぐ横に広がる港へ出てみると、壮大な姿のハーバーブリッジが見え、あまりの景色の違いに、まるで違う町にやってきたのかと驚かされる程、シドニーには趣きの異なるスポットが凝縮されているように感じます。

シドニーに到着して、まず始めに目に留まった「ハーバーブリッジ」。
世界中にある有名な橋の中には、白や赤など色付きのものもありますが、ハーバーブリッジは落ち着いた色調のアイアングレー。エッフェル塔もそうである様に、この色は鉄が絡み合う模様を美しく見せ、周囲の色彩や街並みを引き立たせる美しさがあります。

そんなハーバーブリッジの両端には4つのパイロン(橋を支える支柱)があり、写真の一番手前にある塔の屋上が展望台『Pyron Lookout』 になっているので、まずはそこから街を見渡してみることにしました。
ちなみに、塔の下に曲線を描くように建つ4階建ての建物は、Park Hyatt Sydneyで、客室からはオペラハウスやサーキュラーキーが眺められる素敵なホテルです。

Pyron Lookoutへ行くには、
1)ロックス地区にあるトンネル「アーガイルカット」へと続くArgyle Streetへ
2)その通り沿いにある『ARGYLE STAIRS』と書かれた階段を登り
3)Cumberland Street に出たら、その通り沿いにある階段『BRIDGE STAIRS』を目指す
4)更にその階段を登ると、ハーバーブリッジの歩道に出て
5)少し歩くと展望台『Pyron Lookout』と書かれた塔に辿り着きます

塔の中の階段を少し登ると展望台の入り口であるレセプションがあるので、そこで「大人:29.95ドル(2024年時点)」 を支払って屋上まで階段を登りきると、360°の大パノラマが眺められます。

まず最初に目に飛び込んできたのは、白い姿が青空と青い海によく映える「オペラハウス」!

ガイドブックや旅行雑誌の表紙を飾る見慣れた建物なので、実際見てもそれ程感動しないのかなぁと思っていたのですが、入り組んだ地形のシドニー湾に浮かび上がるその姿はまさしく建築美の象徴で、想像以上の存在感がありました。

そのすぐ横にあるサーキュラーキーからは7路線ものフェリーが運航しており、幾つものフェリーがオペラハウスの横を縦横無尽に駆け巡っていきます。そのフェリーの跡があまりにも芸術的で、展望台に登らなかったら、シドニー湾に描かれるフェリーの跡がこんなにも美しいとは気付けなかったと思います。

ハーバーブリッジの右横に広がるエリアはKirribilli(キリビリ)

次にハーバーブリッジの方へ目をやると、手が届きそうな距離に橋があり、レースのような鉄の組み合わせを間近で見ることができます。そして、海にはもう一つのハーバーブリッジが。。くっきりとその影を落としていました。

橋の右側に広がるエリアは、閑静な住宅街や落ち着いた雰囲気のレストランがある「Kirribilli(キリビリ)」、今回は少ししか散策できなかったのですが、静かな雰囲気が心地良かったので、次回はもっとゆっくりと散策してみたい場所です。

小舟が沢山浮いている小さな湾がLavender Bay、その奥のビル群がNorth Sydney

ハーバーブリッジの左側には、小舟が沢山浮かぶ小さな湾 「Lavender Bay(ラベンダーベイ)」 があり、その奥には新たなビルが立ち並ぶ開発中の「North Sydney」が広がっています。

Lavender Bay沿いにあるレトロな雰囲気の遊園地 Luna Park が観光客には人気ですが、私はノスタルジックなLavender Bayの風景や、植物がうっそうと茂る芸術的な庭Wendy’s Secret Gardenがお気に入りでした。

そして、ハーバーブリッジを背に南西方向を向くと、、、

長方形の建物が平行して並んでいる場所がWalsh Bay

目の前に広がるのは、、、
– 入り組んだ海岸線、
– 遠く先まで広がる大地、
– 大都市とは思えない緑豊かな自然、
– 壮大に澄み渡る空

目に入る全てが圧倒的で、シドニーがこんなにも雄大な街だとは想像もしていませんでした。

長方形の建物が平行して海に張り出すように建っている場所は「Walsh Bay(ウォルシュ・ベイ)」。
約100年前(1918年)に、シドニーの全ての埠頭を近代化するという大規模埠頭計画で再開発された倉庫街で、現在は更にリノベーションされ、劇場やレストラン、ホテル、住居などに生まれ変わっています。

また写真の左端にある近代的な高層ビルは、2020年に開業したホテル「Crown Towers Sydney」で、そのホテルがあるBarangaroo(バランガルー)は近未来をも感じさせる開発著しいエリアです。

そして、最後にサーキュラーキーに目を戻すと、、、

シドニーの大都市を真っ二つに切り開くように高速道路が伸び、その左横に背の低い建物が立ち並ぶエリアが「The Rocks(ロックス)」、その奥のビル群がオフィス街や商業の中心地である「CBD(Central Business District)」です。

『Pyron Lookout』から見るシドニーは、低い目線からは感じられない雄大さがあり、大都市なのにこれほどまでに緑豊かな自然に恵まれているということを、気付かせてくれる場所でした。

ノスタルジックなWalsh Bay

Pyron Lookout を後にし、ロックス地区に戻って次に向かったのは、展望台から眺めた時に長方形の元倉庫街が並んでいた『Walsh Bay』。1日目の夕食は、ちょうどWalshy Bayにあるレストランに予約を入れていたので、下見も兼ねて行ってみることにしました。

日曜日の午後ということで、Walsh Bayのレストランは定休日または17~18時頃までしか営業しておらず、人もほとんどいなかったので、ここがシドニーの中心であることを忘れてしまうほどの静寂に包まれています。

Walsh Bayにある5つの埠頭は、それぞれ異なる用途の建物にリノベーションされています。
ハーバーブリッジ側から順に、
*「Pier 1」:ホテル
*「Pier2/3」と「Wharf 4/5」:劇場などのアート関連施設
*「Pier 6/7」:低層マンション
*「Pier 8/9(5つ目)」:レストランなどの商業施設

その為、Pyron Lookoutから眺めていた時は、同じ長方形の建物が平行して並んでいるように見えていたのですが、実際一つ一つ建物を見比べてみると、外観が少しずつ異なることに気付きます。

細長い真っ白な建物は、Pier One Sydney Harbour Hotel

特にハーバーブリッジのすぐ横「Pier1」に建つ真っ白な佇まいの「Pier One Sydney Harbour Hotel」は青空によく映え、一際目立つ存在です。そんなホテル前では、地元の人たちが釣りを楽しんでいて、ハーバーブリッジを挟んで反対側のサーキュラーキーに大型客船が停泊しているとは想像できない程、ゆったりとした時間が流れていました。

夕食の予約までまだ少し時間があったので、Pier1のホテルを通り過ぎ、ハーバーブリッジを真下から眺められる Dawes Point(ドーズポイント)まで行ってみることにしました。

Walsh Bay から Dawes Point までは歩いて数分ほどで辿り着きます。
実際橋を真下から見上げてみると、均等に続く格子模様が青空に浮かび上がり、シンプルなシングルアーチの中にどこかエレガントさを感じる美しさがありました。

そして、橋をくぐった先にあるのが、真っ白なオペラハウス。

海岸線に沿って造られたアンティーク風の柵、華美過ぎないアイアングレーのハーバーブリッジ、これらのシックな統一感が白いオペラハウスや街に溢れる木々の緑や海の青さを引き立たせる ”シドニーのセンスの良さ” なのだと思います。

そんな Dawes Point で私が驚かされたもう一つの景色が、橋の手前に覆い茂る大樹の姿。

森林や国立公園にしか存在しないようなダイナミックなフォルムの木々が、ハーバーブリッジの横に平然と生えていて、木々を人工的に植えたという大都市特有の雰囲気は一切感じられず、これがオーストラリアが誇る生命力溢れる自然の姿なのかと、素直に驚いてしまいました。

少し歩けば新しいシドニーに出会える、そんな街歩きを続けながら夕食レストランのある Walsh Bay に戻ってくると、時間はちょうど予約していた17時。夕食には少し早いですが、シドニー初日は夕暮れの街並みを ”ある場所” から見たいという思いがあり、3月の日没時間は19:20頃だったので、夕食を食べてからゆっくり夕景を楽しむという行程にしていました。

レストランは、Pier8/9 にある『Elements Seafood Grillhouse』。

日曜日は18時に閉店ということもあり、店内はそれほど混み合っておらず好きな席を選ぶことができたので、対岸にPier6/7が見える眺めの良い屋外の席をお願いしました。私が訪れた3月はまだまだ夏の余韻が残り、外は日中のように暖かく、そして明るいです。

この日は朝シドニーに到着し、自分でも驚くほど夜間フライトの疲れを感じることなく、ほぼ1日街歩きを楽しめましたが、明日からの体調を整える意味でも、夕食は軽めに。
「ホタテのフライパン焼き」「ボンゴレスパゲティ」「ロケット&洋ナシのサラダ」の3品を二人でシェアすることにしました。

サラダ以外のメニューも想像以上に野菜が豊富で、その瑞々しさや味わい深さには正直びっくり!
この日の夕食をきっかけに、オーストラリアの料理は大味なのだろうと思っていた私のイメージが完全に覆されることになりました。

シドニーの夕景スポット Observatory Hill Park

夕食を食べ終えたのは18時、それでもまだ日没が近いことを感じさせない明るさです。夏の時期に旅行をすると、1日の日照時間が長いので、何だか得をした気分になります。

夕食後 、夕景を見るために向かった場所は、ロックスの西側に位置する公園「Observatory Hill Park」。
この公園は丘の上にあるので、お昼に訪れた Pyron Lookout とは別の角度からシドニーの街を見渡すことができます。インスタでもよく目にする場所なので、丘の上に辿り着くとすでに多くの人たちが集まっていて、シートを敷いてサンドイッチ片手に景色を楽しむ人もいました。

丘の前に広がる景色は、優雅に佇むハーバーブリッジと、その周りに点在するレトロな町並みのロックス。対岸に小さな遊園地 Luna Park や高層マンションはあるものの、目に入るほとんどが歴史を感じさせる建物なので、Pyron Lookout から見るシドニーとは別の趣きがあります。

太陽が水平線に近づくにつれて、橋や街は黄金色の光に照らされ、どこかノスタルジックな雰囲気に。。。徐々に木々が暗い影となり、橋と家の屋根の部分だけが夕日に照らされ浮かび上がると、セピア色に染まるオールドシドニーの絵葉書のような姿へと変わっていきました。

そして陽が沈むと、今度は建物全体が本来の色を取り戻し、最後にほんの一瞬だけ、ピンク色に包まれる幻想的なシドニーを見ることができました。

実際1時間近くこの公園にいたのですが、刻々と色が変わる夕景に見入っていたので、そんなにも時間が経っているとは思いもせず。。。

夏の終わりとは言え、陽が傾くと空気はひんやりとし、特にこの公園は丘の上にあり風を直に受けるので、羽織りものを持ってシドニーの夕景を味わってみて下さい。

サーキュラーキーとロックスを一望 Cahill Walk

最後は、シドニーを高い場所から見渡せるもう一つのお気に入りスポットについて。

シドニーの街並みばかりを撮られている写真家の方の作品の中で、「ロックスの町並みとハーバーブリッジを少し高い所から眺められる景色」がふと目に留まりました。私にはその景色があまりにも印象的で、これはどこから見られるんだろうとネットで探すも、詳しい場所が見つけられず。。。
そんな中、旅行中に車でハーバーブリッジからシドニー市内に入った時に、窓の外を眺めていると、写真と同じ景色が見え、ここからの景色だったんだ~と発見できた場所です。

それは、サーキュラーキーの後ろを走る高架道路 「Cahill Expressway」に沿ってつくられた歩道(Cahill Walk)で、サーキュラーキーWharf2 の近くにある透明のエレベーターから行くことができます。

エレベーターで Cahill Walk に出ると、真正面にサーキュラーキー、その先に大型客船とハーバーブリッジという景色が広がります。世界三大美港の一つとして知られるシドニーの活気溢れる姿を真正面から眺められる素敵な場所です。

その Cahill Walkをまっすぐ進み、サーキュラーキーの端から端まで歩ききると、大型客船とハーバーブリッジ、現代美術館、緑の木々が茂る公園 First Fleet Park が真正面に見えてきます。

同じ高さで見る大型客船は下から見上げる姿とは異なる迫力があり、遊歩道を歩く観光客の姿はミニチュアのおもちゃのように見え、そのスケールの違いを間近で感じられる景色が広がっています。

そして、更に先へ進むと、ロックスの歴史ある町並みと、道路に並ぶレストランのパラソル、その先にハーバーブリッジという、私が探し求めていたお気に入りの景色が眺められるのです。

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実際訪れてみて実感したこと。。。それは、シドニーの街は高い所から眺めると、より一層その美しさに気付くことができるということ。

始めに紹介したPyron Lookoutは有料ですが、開発著しい近未来のようなビル群を真っ二つに分ける高速道路は圧巻で、道路の横には線路もあるので車の横を列車が走り、海に目を移せばフェリーも行き交うという、シドニーの鼓動を感じられるような景色が眺められます。

また、背の低い歴史的な建物が集まるロックスの先には様々な形の高層ビルが立ち並び、港には大型客船が停泊するという、「昔と今」を集結させたような街並みと、均整のとれた美しさ。

Observatory Hill Park に足を運べば、緩やかな曲線を描くシングルアーチのハーバーブリッジと共に、古き良き時代にタイムスリップしたかのようなオールドシドニーを感じられる景色が。。。

できれば、サーキュラーキー付近のホテルに宿泊して、港とシドニーの街を見渡せる部屋から朝焼けや夕焼けの景色も眺めれられれば、もっとシドニーの美しさを実感できると思いますが、もしそのようなホテルに宿泊していなくても、私が訪れた3つの高台からシドニーを見渡すと、想像以上のシドニーに出会えると思います。

時間があれば、是非それらの場所に訪れて、シドニーの様々な美しさに触れてみて下さい。

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