シドニー 旅行記 2024③ ~ロックスにあるレトロ可愛いホテル~

2024年3月に6日間旅したオーストラリア、シドニー。1都市だけの滞在でしたが、多くの魅力を感じ、想像以上に刺激を受ける旅になりました。旅行記を通してシドニーの奥深い魅力を感じていただけると嬉しいです。

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今回のシドニー旅行は、「シドニー市内1泊 → ブルーマウンテンズ2泊 → ハンターバレー1泊 → シドニー市内2泊」という滞在プランにしました。

★具体的な旅行全体の行程については、下記記事にもまとめています。

私が旅をする中で大切にしていることの一つに、「訪れた場所の雰囲気を味わえるホテルに滞在する」ということがあります。

昔は、立地とある程度の設備が備わっていること以外にホテルに求めることはなかったのですが、旅行の仕事を続けるうちに、そのホテルでしか味わえない景色やその土地特有の雰囲気というものがあることを知り、私にとってホテル選びは旅を計画する上で、重要な項目の一つになりました。

そんな私がシドニー1泊目に選んだホテルは、古き良きオールドシドニーが感じられるロックス地区にあるホテル。ハーバーブリッジやオペラハウスが見渡せる高層ホテルも魅力的ではありますが、まずはシドニー発祥の地であるロックスの歴史地区でレトロな雰囲気に浸れるホテルに泊まりたいと思い、『Harbour Rocks Hotel Sydney』を選びました。

レンガ造りでレトロ可愛い外観が特徴のこのホテルは、1887年に建てられた建物を改築したもので、当時シドニー初の病院があった敷地内に建っています。それを物語るように、ホテルの裏手にはナーシーズ・ウォークと呼ばれる、かつて病院への近道としてナース達が歩いていた小道が広がっています。

有名観光地であるロックスの中心に位置しているものの、ホテル前の通りは人通りが少なく、とても静か。そんな通りに面する赤い屋根のエントランスを入ると、レンガ造りの壁一面に本棚が並び、天井は地上階から最上階の2階(=日本の3階)まで吹き抜けになった開放感のある造りになっています。ホテルのロビーというよりは、お洒落なリビングルームのような雰囲気です。

そんなアットホームさのあるロビーの一角にはカフェスペースがあり、カウンターの一部がレセプションの役割を果たし、そこでチェックイン/アウトの手続きを行います。

私たちの部屋は2階(=日本の3階)。このホテルは歴史的な建物を利用して造られており、人が乗るエレベーターはないので、部屋までの移動手段は階段のみです。但しスーツケースなどの大きな荷物は専用のリフトで運んでくれるので、大きな荷物と一緒に階段を上る必要はありません。

地上階から吹き抜けの横にあるオープン階段で1階まで上ってみると、本棚が並ぶロビーが見下ろせ、

最上階の2階まで上ると、縦格子の手すりとアーチ状の壁が連続する幾何学模様のような建築を見下ろすことができます。壁の所々に掛けられた額は、昔の建物がホテルへと改築される様子を写真に収められたもので、ホテルの歴史が説明されていました。

私たちの部屋がある最上階は、天窓から自然光が差し込み、館内の中で一番明るい場所 ( *´艸`)

このホテルを予約した時は、館内がこんな風になっているとは想像もしておらず、吹き抜けに沿って造られたオープン階段のおかげで、ロックスの歴史博物館の中を歩いているような感覚を味わえるので、エレベーターがないことに全く不便さを感じませんでした。

私たちが今回宿泊したお部屋は「Heritage Deluxe King Room」というカテゴリー。
写真では見切れているのですが、手前にソファとテーブルがあり、奥にベッドがあるお部屋です。

部屋の壁もレンガ造りでインテリアはブラウン系に統一、それだけであればレトロな雰囲気で終わってしまうのですが、レザーの椅子やコーデュロイ素材のクッションといったモダン要素も取り入れられているので、昔と今をうまく融合されたセンスの良い空間になっていました。

カーテンを上げ、ベッドに寝そべった状態でアーチ型の窓を見上げると、枠いっぱいにプラタナスの木と青空との美しいコントラストが見え、窓を覗き込むとロックスの静かな通りが見えます。何だか、旅をしているというより、シドニーで生活しているような気分にさせてくれる風景です☆彡

こんな素敵なお部屋で唯一気になる点をあげるとするならば、バスルーム。
ガラス張りのシャワースペース、トイレ、洗面台がバスルームの中にまとめられているので、少し狭さを感じることと、洗面台が小さいので物があまり置けないということ。機能的には十分なので問題なく過ごせますが、ダブルシンクに大きな鏡&広々としたバスルームが好みの人には、物足りなさを感じられるかもしれません。

でも私は、ロックスらしいホテルに滞在したいという思いが強かったので、このホテルの世界観に浸れたことが何よりの喜びでした。

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そんなホテルには秘密の場所のような素敵なスペースがあって、、、
それは、ロビーからレストランへ向かう途中の廊下からアクセスできる「Garden Terrace」。

滞在していても気付かない人はいるんじゃないかな…?と思う程、隠れた場所にあるのですが、扉を開けると、、ぱぁっと緑に囲まれたカラフルな空間が目に飛び込んできて、つい座りたくなるような椅子やソファが置かれており、テラスの先からはロックスの静かな通りを見下ろすことができます。

この時も、サーキュラーキーから流れ込む優しい海風を感じながら、1組のご夫婦がドリンク片手にロックスでの静かな昼下がりを楽しまれていました。なんてステキな空間。。。☆

そして、まだまだあるこのホテルのお気に入りは、ホテルに併設されているクレープ&ガレット専門のカフェ「Creperie Suzette」。シドニーに到着して最初のランチは、このカフェでと決めていました。

休日のランチということもあり、お店は中も外も混み合っていましたが、何とか店内に空いてる席を見つけることができました。カフェの壁もホテル同様にレンガ造りで、壁に掛けられた絵画の女性が何とも優しく微笑みかけてくれています。

オーストラリアは独自のコーヒー文化が根付いていることでも有名で、まずはラテアートが美しいカフェラテかフラットホワイトを飲むつもりでいたのですが、喉の渇きに耐えきれず、アイスのカフェラテを。
食事は、種類の異なるガレットを2つ注文しました。
*Classique:ハム、チーズ、エッグのガレット
*Champignon:マッシュルーム、チェリートマト、ネギ、チーズ、ルッコラのガレット

ただ、どちらのガレットもベースとなる味はほぼ同じだったので、シャアして食べる私たちには、一つはフルーツやクリームののったクレープにすれば良かったかなぁ。。と少し後悔。

このホテルはロックスの中心にあるので、ロックス観光にはとても便利なのですが、もう一つこのホテルに泊まって良かったと感じたことがあり、、、
それは、夜になるとロックスの町が素敵にライトアップされ、昼間とは異なる趣きがあるということに気付けたこと。

レストランの軒先にぶら下げられた電球や木に巻き付けられた細かいライトが、レンガ造りの町並みを優しく灯し、昼間以上にノスタルジックな雰囲気に包まれ、

また、カラフルで大きな風船のようなライトにも灯りがともると、アート作品が茶色の建物の中に浮かび上がるようで、ロックスの町並みがより一層幻想的に見えました。

もし別のエリアに泊まっていたら、夜にもう一度ロックスに足を運ぶことはなかったと思うので、これらの美しさには気付けなかったと思います。

そして、最後にもう一つ、このホテルのお気に入りは。。。
カフェのようなレストラン「Tayim」での朝食。

写真に写る20席ほどのスペースと別の場所のボックス席を合わせた、30席ほどしかないこじんまりとしたレストランですが、砂岩がむき出しになった壁に民族風のタペストリーが掛けられ、コンテンポラリーデザインのインテリアでまとめられたカフェのような空間が、何とも心地よいのです。

朝食はメニュー表から選ぶアラカルトタイプで、私は朝食付きの宿泊プランで予約をしていたので、値段に関係なく好きなメニューを選ぶことができました。

まずは、念願だったラテアートが美しいフラットホワイトと、ココアパウダーが散りばめられたカプチーノを注文。

*フラットホワイトとは・・・
オーストラリアやニュージーランドが発祥と言われており、エスプレッソコーヒーとフォームミルクの割合が1:3になるように作られ(=カフェラテよりもエスプレッソの風味が強く濃厚な味わい)、フォームミルクの泡は薄めにのせられたもの

そして、朝食のアラカルト料理は、下記の2つをお願いしました。
●BREKKIE BOWL…グラノーラ、フルーツ、ヨーグルトにハチミツがかかったもの
●BIG BREAKFAST…ハッシュドポテト、ベーコン、マッシュルーム、トマト、卵料理、サワドゥブレッドをワンプレートにのせたもの

どちらのプレートも、エレガント過ぎない素朴なオーストラリアの朝食という感じがして、このホテルの世界観にぴったり。見ているだけで元気になりそうです( *´艸`)

今流行りの音楽が会話の邪魔にならない程度の音量で流れていて、それに合わせてスタッフの方の鼻歌が薄っすらと聞こえるアットホームな雰囲気の中でいただくシドニー最初の朝食。

歴史的な外観に胸が躍り、こじんまりとしたホテルの中でも、レンガ造りや当時の面影を残す建築、レトロモダンなお部屋、秘密のガーデンテラス、お洒落なカフェ&レストランと、魅力が沢山詰まっていて、ロックスの世界に没入することができました。

ホテルは泊まるだけの場所ではなく、ホテルにいながらもその土地の風土や文化を味わえる、そんな個性的な滞在も、私の旅の楽しみ方の一つです。

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