【モルディブ】リピーターに愛される島『ミリヒ』旅行記<前編>


1周歩いて10分程の小さな島『ミリヒ・アイランドリゾート』は、自然の美しさとスタッフの温かさが素晴らしく、ミリヒの虜になって何十回と足を運ぶリピーターが沢山います。私にとってもミリヒで見た景色・過ごした時間は今まで訪れたモルディブの中でも特別で、決してラグジュアリーなリゾートではないのですが、人生の宝物に出会えたと感じられる場所でした。そんなリピーターに愛されるミリヒで体験した ”ある一日” を日記風にして書き綴ろうと思います。
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私が滞在した水上ヴィラは、島の東側に建っていたので、毎朝、部屋のサンデッキから朝日を眺めることができます。

モルディブのリゾートはどの島も徒歩か自転車で1周できる大きさで、朝日と夕日の両方を見られることがモルディブの魅力の1つだと感じているので、滞在中毎朝、朝日の昇る前に起きることが日課になっています。

サンデッキに出てみると東の水平線が赤く染まり、空は青から赤ヘのグラデーション。朝日が出てくる前の紫がかったこの空色が一番好きです。デッキチェアに座りながら、空の色が変化していくのをただただ眺める、そんな些細なことがモルディブではとても貴重に感じられます。

刻々と色が変化するトワイライトタイムが終わると、水平線から眩しい光が差し込み、同じタイミングでモルディブの伝統的な船ドーニが朝日に向かって進んできました。

360°水平線に囲まれているモルディブですが、雲に邪魔されずに水平線から顔を出す朝日に出会えることは意外と少ないので、”水平線から昇る朝日” と ”シルエットになったドーニ” の両方を見られたことに、ちょっとした奇跡のようなものを感じ、いつも以上に興奮した朝でした。

朝食に行く準備を済ませ部屋を出てみると、空はすっかり青さを取り戻し、透き通った海には幾つもの光の輪が揺らめいていました。太陽はまだ低いところにあるので、海に落ちる桟橋の影はひときわ存在感があります。

朝食レストランへ向かう島内の小道はまるで木々に囲まれたトンネルで、まっすぐ整備され過ぎていないナチュラルな曲線が私には心地よく、島の中を探検しているような気持ちになります。

まだ少しひんやりとした空気が残る中を歩き進むと、茅葺屋根のレストランDhonveliが見えてきました。白砂や茅葺屋根に落ちる木々の影が今日も優しく出迎えてくれ、その模様の美しさに毎回心が癒されます。

レストランの人気の席はアウトサイドデッキ、すぐそばで波が打ち寄せるビーチと朝の光に照らされるヤシの木を眺めながら、数組のゲストがすでに朝食を楽しんでいました。

私は、アウトサイドデッキ全体が眺められる屋内のテーブルを選びました。Dhonveliレストランの屋内スペースにはビーチと同じ白砂が敷き詰められているので、サンダルを脱いで素足を砂にうずめながら食べる朝食が心地良いんです。

ビュッフェから好きなものを、エッグコーナーではオムレツを作ってもらい、カプチーノと共に朝のひとときを楽しみます。朝食後に予定がびっしり入っているわけでもないので、いたいだけここに居られる、このゆったりとした時間の流れを味わうために、モルディブに何度も足を運んでいるのかもしれません。

朝食後は、島内の小道ではなく、島を1周するようにビーチ沿いを散歩して帰るのも私のお気に入り。

ゲスト数が少ないのでビーチに他の人の足跡👣を見かけることがほとんどなく、いつも生まれたてのようなふかふかのビーチが広がっています。無風の日の海はとにかく穏やかで、波打ち際に緩やかな曲線を描く砂紋が見えると、水平線から昇る朝日を見た時と同じくらい嬉しい気持ちになります。

海には小魚の群れがゆらゆらと泳いでいて、それを狙うマーカナ(サギ)にもよく遭遇します。その姿はモルディブの青い海に映えるので、見かける度につい写真に収めたくなります。

そんなマーカナをしばらく眺めていると、サメの子供たちが波に乗って砂浜に流されてくるのが見えました。何度も同じことを繰り返していたので、あえて流れに身を任せて戯れているんだろうな…と想像しました。

ミリヒで出会う生物たちは、人を警戒する素振りがなく、人のすぐ近くで普通に生活しているので、”地球は様々な生物の為にある” ということを絶えず語り掛けられているようでした。

メインの桟橋付近はビーチが広く、外洋からの波の影響をほとんど受けないラグーンが広がっているので、湖のような平らな海が印象的で、指で水面を触ると波紋が描ける程でした。

北側のビーチ沿いには私が宿泊していない方の直線状の水上ヴィラが並んでいるので、桟橋を渡って、どんな景色が見えるのかもチェックしてみたり。。。

島1周10分程の小ささですが、30分以上かけて散歩し、我が家の桟橋に戻ってきました。
この頃には太陽もかなり高い位置まで昇っていたので、桟橋の影は行き程の存在感はなく、その代わりに海の青さが際立っていました。

ミリヒの水上ヴィラは2つのヴィラが隣り合わせで建っている1棟2室タイプですが、プライバシーはしっかり保たれているので、サンデッキから隣の部屋が見える心配はありません。こじんまりとしていますが、室内はビタミンカラーで統一され、バスルームもシンプルモダンでスタイリッシュなので、快適に過ごすことができます。

朝の散歩で今日の海の透明度が高いことはわかっていたので、部屋に戻るやいなや、サンデッキに出て海を覗いてみると、クリアな海に浮かび上がる珊瑚の森とその周りを泳ぐ魚達。この海を見てしまうと、スノーケリングせずにはいられません。

海からはどれが自分のヴィラかわからなくなるので、目印としてサンデッキのロープにパレオを結んでおきました。海へと降りる階段の先には、これ以上ないくらいクリアな海が広がり、この海の上で数日間滞在できるという喜びに胸がいっぱいになります。

珊瑚に触れないようにドロップオフ(急に深くなる場所)まで泳ぎ進み、スノーケリングを楽しみました。ミリヒのようにハウスリーフの良い島は、自分のヴィラから数メートルで竜宮城のような海が広がり、自分の好きなタイミングでスノーケリングができるところが魅力です。

午前中の海は特に透明度が高いので、30分程スノーケリングをしてはサンデッキで休憩の繰り返し、まさしくスノーケリング三昧です。

クールダウンするために、一旦エアコンの効いた部屋に入り涼んでいると、サンデッキで何かが動いているのが見えました。ガラス越しに覗いてみると、マーカナがサンデッキのロープにつかまりプルプルしながら必死にバランスをとろうとしているのです。

よりによって、どうしてそこに降りたんだろう。。。(笑)

しばらく観察していると、何とかサンデッキに着地、海へと降りる階段へゆっくり歩いていき、先端でじっと海を眺めています。ちょうどお昼を食べにバーへ行こうと思っていたので、その後の彼の行動はわかりませんが、部屋に戻ってきた時にはもう姿はなく、階段に複数のウロコだけが散らばっていました。
きっと、魚を捕まえて、この階段で食べたのかな。。。

ミリヒでは、他のゲストはあまり見かけないのですが、人以外の生物・自然はいつもすぐ近くに存在していて、絶えず人と自然は共存しているということを感じさせられました。

【後編】へつづく。。。

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