2023年3月に滞在したナチュラルリゾート『コモ・ココア・アイランド(Como Cocoa Island)』の旅行記です。私が感じたことをテーマごとに書き綴っているので、ココア・ライフを少しでも感じていただけたら嬉しいです。
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今回、私が滞在したお部屋は「プール付き・1ベッドルーム・ウォーターヴィラ」。
ココアのお部屋は全て水上ヴィラで、ビーチヴィラはありません。小さな島なので全33室しかなく、島の南側に島に平行するように水上ヴィラが並んでいます。そして、2020年のリニューアルオープンと共に、6室のみプール付きのお部屋が誕生しました。
《プール付き水上ヴィラ》
・One bedroom water villa with pool(4室)
・Two bedroom COMO Sunrise villa (1室)
・Two/Three bedroom COMO Sunset villa(1室)
上にココアのリゾートマップを載せましたが、青い丸で囲んだ4棟が私が滞在した1Bedroom water villa with poolです。このヴィラは地図の通り、ずらっと並ぶ他のヴィラ群から少し離れた場所に建っており、2ベッドルームヴィラ1棟を含む全5棟専用の桟橋が枝分かれして伸びています。この曲線を描く桟橋とその先にあるヴィラたちが何ともフォトジェニックで、5棟だけのプライベート感溢れる雰囲気が好きでした。
メインの桟橋から各ヴィラへは葉っぱの葉脈のように別の桟橋が伸び、ヴィラの周りは隣りが気にならないくらい十分に間隔が空いています。まさしく、海に浮かぶ一軒家です。
プール付き・1ベッドルーム・ウォーターヴィラは縦に長く、プール → サンデッキ → リビングルーム → ベッドルーム → ウォークインクローゼット → バスルーム(洗面台・トイレ・屋内シャワー)→ 屋外シャワールームという順に部屋が並んでいます。
下記はヴィラのフロアープランで、青い矢印が入り口です。私のお部屋とは入り口が逆なのですが、イメージはつかめると思います。
入り口は部屋の中間部分にあり、扉を開けると正面にベッドルームの壁があり、リビングルームとクローゼットとがつながる廊下が左右に広がっています。
私がこのお部屋で気に入っているポイントの一つが、ヴィラの側面がほとんどガラス張りになっていることです。リビングルームだけでなく、廊下もガラス張りになっているので、ロールカーテンを全て上げた状態にすると、どこに居ても海に囲まれていることが実感できるようになっているのです。
リビングルームは、海に面している3面全てがガラス張りになっているので、開放感に溢れており、海と空の青色が部屋のメインカラーになります。ソファやサイドボードなどの家具はとてもシンプルなデザインなので、お洒落さに心弾ませるというよりは、海を身近に最大限に感じられることが、このヴィラの一番の魅力です。
ベッドルームは、リビングルームから2段上がったところに造られており、寝る時は部屋の間にあるカーテンで閉め切ることができます。またベッドルームの側面もガラス張りになっているので、正面だけでなく横からも海を眺めることができます。
朝から日中にかけてはロールカーテンを上げて全面ガラス張りにしていましたが、西日が眩しくなってくる3時以降はカーテンを下げて過ごしていました。ロールカーテンは薄っすら景色が見える半透明のものと、完全に景色が見えなくなるものの2種類あり、リモコン操作で上げ下げができます。ベッドルームの左と右、リビングルームの左と右、の計4箇所をそれぞれに操作できるので、ベッドルームは下げて、リビングは上げておくということも可能です。
ベッドルームの後ろには広いウォークインクルーゼットがあり、入り口の廊下からもベッドルーム側からもアクセスができます。その奥に2つの洗面台、バスタブ、トイレ、屋内シャワールームが備わったバスルームがあります。
白とダークブラウンが基調のヴィラなので、洗面台付近を覆うモザイク調の青いタイルがとても印象的で、大きな鏡と共にスタイリッシュモダンに統一された、居心地の良いバスルームでした。
そして、バスルームの奥にある扉を開くと、部屋の最後の部分になる屋外シャワースペースがあります。このシャワーを実際使うことはなく、水着などを乾かす場所として利用していましたが、もしこのスペースにも海へと降りる階段が付いていれば、海で泳いだ後に、室内を通り抜けることなくバスルームに行けるので、より使い道があったかもしれません。
この1ベッドルームヴィラは、私が今まで訪れた他のリゾートよりも ”独立した空間” を感じさせてくれ、モルディブの自然を存分に味わい尽くしました。
朝、夜明け前に起きてサンデッキに出ると、東の空から放射状に陽光が広がります。数十メートル先に2ベッドルームヴィラは見えるものの、すぐ横に隣のヴィラがあるわけではないので、目の前にパノラマスクリーンのような景色が広がります。
ロッキングチェアに揺られながら陽が昇るまでの空を眺めるのが日課で、毎朝異なる空模様に出会えるのが楽しみで仕方ありませんでした。
そして、東の空に真ん丸の朝日が姿を現します。
プールの横を恐る恐る先まで歩き進み海を見下ろしてみると、エイや小さなサメがゆらゆらと泳いでいる姿を見かけることもあります。
朝は潮が引き始める時間帯で、ヴィラ周辺の海はかなり浅くなるので、海に降りてみることにしました。
この日は、雲の切れ間から朝日が漏れる空模様。
モルディブの海は、周りに珊瑚が生息していると珊瑚のカケラが海に散らばり素足で歩くのが困難なことも多いのですが、私が滞在したヴィラNo.1003の周辺はサラサラの砂が広がっているので、素足でもどんどん歩き進めます。
ココアでは、水上ヴィラに平行するようにハウスリーフ(島周辺の珊瑚礁)があるのですが、1ベッドルームヴィラはハウスリーフから一番離れた所に建っており、ハウスリーフに辿り着くまでには5~7分程泳ぐ必要があります。その分、周囲は遠浅ラグーンに囲まれているので、干潮時になると足首ほどの深さになり海の中を自由に歩き回ることができるのです。
海には朝日から伸びる光の筋ができ、その上を小さな波を受けながら歩く。。海には波除け用の防波堤もないので、遮るものなく広がる海の中を朝日に向かって歩く時間はとても神秘的でした。
空に広がる雲が朝日で黄金色に染まると、海やサンデッキも黄色味を帯び、ノスタルジックな朝を感じることもありました。
朝食から帰って来て、太陽の光が真上からさんさんと降り注ぐ頃には、空も海も青さを増し、サンデッキからの景色は、朝とは異なる煌めきを放ちます。
ハウスリーフから少し離れていたとしても、ココアでは、ハウスリーフの近さよりも、この淡いグラデーションのラグーンと砂州を部屋から見たいとずっと思っていたので、このヴィラは私にとって最高のロケーションでした。
スノーケリングに行く前には、童心に帰るように部屋前の海を歩き回りました。
海側から見たココアの水上ヴィラ群。パラソルが開いているのが私たちのヴィラで、1ベッドルームヴィラ同士の間隔が広いことがよくわかります。
私が滞在している時は朝の9~10時頃が1回目の干潮時間で、ヴィラ周辺には砂州がいくつも姿を現します。
島の東側に伸びる砂州も圧巻の美しさなのですが、1ベッドルームヴィラ周辺にポコポコと現れる砂州もココアならではの自然美で、ここを自由に散策できるヴィラに滞在できて良かったと何度も思いました。
そんなココアの自然美を尊重するかのように、部屋の小物もナチュラルテイストで統一されています。
部屋の鍵はカードキーを採用しているリゾートがほとんどですが、ココアでは昔ながらの鍵が使われ、手作り感のあるガラス製の飾りが付けられています。隣りにある麻紐で作られたボールは、「Do not disturb(部屋に入らないで)=赤色」と「Make up the room(部屋の清掃をお願いします)=緑色」を表したドアノブに掛ける印で、時代になびき過ぎないココアらしさが感じられます。
また、モルディブでは、素敵な部屋でまったり寛ぐ3時のティータイムも、毎回楽しみにしていることの一つなので、いつも日本からチョコレートなどを買って持参しています。今回は、シンガポールのチャンギ空港にマラケシュ発祥のBACHA COFFEEの店舗が新設されたと聞いていたので、ココアでそのコーヒーを飲みたいと思い、行きの乗り継ぎで1箱買っていました。
コーヒーを淹れるとリビングルームはコーヒーの良い香りに包まれ、海に囲まれながら、持ってきたチョコレートやお部屋に置いてあるフルーツ、ナッツと共に味わうBACHA COFFEEは癒しそのもので、優雅な午後を満喫できました。
陽が傾き始めると、サンデッキはほとんど影に覆われ、一日の終わりが近づいているのを感じます。
その先に広がる海は、それでも尚青く輝いていますが、潮の満ち引き(=海の深さ)によって色の濃さが変わるので、一日の内に幾通りもの青色を見せてくれます。
夕暮れ時になると、リビングルームの西側のガラス窓からは水平線に近づく夕日が見えます。サンデッキの西側には目隠し用の木製板が設置されているので、サンデッキから夕日を見ることはできません。滞在中はいつも西側のビーチかバーに行って夕日を眺めていたので、リビングから夕日を見られるかどうかはわからないのですが、この頃になると干潮に向けてまた海が浅くなるので、朝のように部屋前の海を歩けば、きっとサンセットも眺められたと思います。
最後に、私が滞在した1ベッドルームヴィラを含む5棟が並ぶ私お気に入りの景色の写真を2枚。
1枚目は朝日が昇る前の赤く染まる空をバックに、2枚目は夕日が沈んだ後のトワイライトの空をバックにした景色。どちらも同じヴィラと桟橋を見ているのに、その姿が黒いシルエットになるかならないかで、こんなにも受ける印象が異なるんですね。
ココアは、空模様が変わるだけで、全く別の景色を見ているような錯覚に陥ります。それだけ、ヴィラも周りの自然美を損なわないように造られているのだと、実際滞在してみて実感しました。