シドニー旅行記 2024④ ~ブルーマウンテンズの隠れ家リゾート~

2024年3月に6日間旅したオーストラリア、シドニー。1都市だけの滞在でしたが、多くの魅力を感じ、想像以上に刺激を受ける旅になりました。旅行記を通してシドニーの奥深い魅力を感じていただけると嬉しいです。

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飛行機にてシドニーに朝到着後、その日はシドニー市内のロックス地区のホテルに宿泊。2日目からは郊外に足を運び、ブルーマウンテンズに2泊しました。
シドニーから車で約1.5時間(電車でなら約2時間)と、都市部から比較的近くにある国立公園なので、日帰りで訪れることもできますが、敢えて2泊したいと思った理由は、ブルーマウンテンズをじっくり訪れたかったのと、大自然の中でリゾートステイをしてみたかったから。

少し話は遡り、20年くらい前からずっと行き続けていた「モルディブ」、そこで味わった ”1島1リゾート、島に20~30室程しかないプライベート感、360°海に囲まれた自然への没入感” に魅了され、それ以来、他の国でもモルディブのようなリゾートステイができるホテルがないか探すようになりました。

そういった思いから、ブルーマウンテンズで自然とリゾートの両方を味わえ、プライベート感のあるホテルを探している時に出会ったのが『Spicers Sangoma Retreat』でした。

シドニーのホテルを11時に出発、車で約1時間30分かけてブルーマウンテンズへ向かい、ホテルに到着したのはお昼の12:30頃。ブルーマウンテンズ国立公園の入り口部分に位置しているので、周囲にはまだ山々はなく、牧草地や森林地帯が広がります。主要道路から細い道に入っていくとホテル専用の門が現れ、横にあるインターホンを押して予約者であることを伝えると門が開くという秘密基地のような入り口。門の先に伸びるホテル専用の小道を更に進むと、木々の合間からメインの建物が見えてきました。

ホテルの前ではスタッフの方が私たちの到着を待ってくれていて、車を降りると「Welcome to Sangoma Retreat」と笑顔で出迎えてくれました。ホテルに入ると大きな一枚岩が飾られており、その下に Spicers Retreat の理念が刻まれています。

- We create quality experiences where life can be celebrated and shared.
(私たちは、人生を祝福し共有する場で、質の高い体験を提供します)

センスの良いインテリアに囲まれながら建物の奥へと進んで行くと、アフリカンテイストと周囲の自然とが絶妙にマッチしたリビングルームのようなラウンジに案内されました。そのインテリアセンスや、壁・家具・ファブリック全ての質感&色味があまりにも素敵で、一目見た瞬間に胸が高鳴りました。

そんな私たちにスタッフの方が、「少しここで休憩されるようであれば、シャンパンか何か飲み物をお持ちします。昼食を食べたくなったら好きなタイミングでレストランに来てくださいね」。。と。

テラスに目を移すと、この部屋のインテリアと同じくらい心奪われる景色が広がっていて、吸い込まれるように足がテラスに向かいます。

「うわぁ~、なんて美しい緑の木々、、そして、その先に広がる広大な大地 。。(*”▽”) 」

このホテルに泊まったら、ほんの少しの時間でもいいから青空と共にこの景色を眺めてみたいと思っていたので、到着してすぐにこの光景に出会えたことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。
そして迷わずスタッフの方に、テラスにシャンパンを持って来てもらうようお願いしました。

建物や山などが一切邪魔することなく伸びる地平線。

でも、実はテラスに置いてある望遠鏡を覗いてみると、真っ直ぐに伸びる地平線上にシドニーの高層ビル群が薄っすらと見え、都市部からそれ程離れていなということを気付かされるのですが、望遠鏡から目を離すと街の喧騒なんて一切感じないこの秘境感。

やっぱりオーストラリアは私の想像を軽く超える不思議な魅力に溢れています。

テラスに置かれた椅子やクッションは、周りの自然との調和に違和感を感じさせない優しい色彩を使用。
美しいフォルムのユーカリの木とポコポコ浮かぶ雲とが、自然ならではの独創的な模様でテラスを包み込んでいて、ここにいるだけで心が癒されていくのがわかります。

そんなテラスの左横にはプールとデッキチェアがあり、空と森林とのパノラマを真正面に眺めながら泳ぐこができます。ブルーマウンテンズはシドニーよりも標高が高く気温も少し低いと言われていますが、このプールは太陽熱温水プールなので、夏の時期であればいつでも入れそうです。

『Spicers Sangoma Retreat』は、全8室(1室はメイン棟にあり、それ以外は1棟独立型)のみ。
部屋数が少ない上に、日中は国立公園の観光に出ている人もいるので、食事の時以外は他のゲストを見かけることはほとんどありません。ホテル到着時も、プールで泳ぐゲストは1組いましたが、ラウンジやテラスにいるのは私たちだけだったので、シャンパンを飲みながら、この景色と静けさを独占するという至福の一時。

13時過ぎになり、そろそろお腹が空いてきたので、ロビーのすぐ隣りにあるレストランに移動しました。するとレストランスタッフの方がすぐに出てきて「ランチの準備をするので、好きなテーブルに座ってね」と。

このホテルは、オールインクルーシブが基本プランで、宿泊費に滞在中の朝・昼・夕食と飲み物(アルコール&ソフトドリンク/一部銘柄除く)、お部屋のミニバーが含まれています。

それに加え、私が素敵だと感じたポイントが、敢えてチェックイン/チェックアウト時間を設けず、お部屋に空きがある限りアーリーチェックイン/レイトチェックアウトに対応するということと、到着日の昼食も基本プランに含まれているということ。(通常であれば、チェックインは14~15時頃で、3食事付のプランでも到着日の昼食は含まれていないホテルが多いです)

その為、ホテルにはお昼頃に到着し、ランチもホテルでいただくことにしていました。

ランチのメニューは1種類で ”Share Plate Lunch” と言われました。それに合うワインも用意しますが、いかがですか?とのことだったので、お願いすることに。

どんな感じのランチが出てくるんだろうと楽しみにしていると、一気に4皿がテーブルに並べられ、これを自分のお皿に好きなだけ取り分けて食べるというスタイル。

メインはラム肉のローストなんですが、この下にはバター・塩・醤油?で味付けされているのか、非常に日本人の口に合う味付けのレンズ豆が敷き詰められており、ホクホクとした歯ごたえでラム肉との相性がぴったり。その他の料理も野菜が使われた創作料理でしたが、全てがヘルシーで味わい深く美味しい。デザートは甘さ控えめのメレンゲとその下にレモンのアイスクリームが隠れていました。

このランチを食べた時に、オーストラリアの料理はこんなにも繊細で、量も適量、素材本来の味を生かし引き立てるのが上手なのかと、衝撃を受けました。

ホテルの雰囲気、景色、食事に心が満たされた後は、いよいよお部屋へと案内されます。
ラウンジやレストランのあるメインの建物から各お部屋へはどれもすぐ近くですが、周りには独特なフォルムのユーカリの木が茂っていて本当にフォトジェニック。

私たちが滞在したのは「Luxury Bush Suite」というカテゴリーで、扉を開けた途端に森林のパノラマが目に入る開放的なガラス張りが特徴のお部屋です。

入り口の扉を背に右側にはベッドがあり、ベッドの後ろにはシンクが完備されたミニバーとクローゼットがあります。

ベッドと反対側の左のスペースには、暖炉とバスタブ、仕切りのないシャワースペース、洗面台があり、曇りガラスの引き戸の奥にトイレがあります。

バススペースに仕切りはありませんが、シャワーを浴びる時などはベッド周りをカーテンで覆って目隠しができるので、機能面で不便さを感じることはありませんでした。

それよりも、壁のタイルや床の石材、木造りの家具、動物柄のカーペット・クッション・ベッドスローが大地の恵みや自然の美しさを表現していて、暖炉やシャンデリアで優雅さも加わり、この空間でブルーマウンテンズの大自然を味わえること自体が嬉しくて仕方ありませんでした。

部屋は横に長く、森林に面している部分が全てガラス張りになっているので、部屋のどこにいても緑の木々が見えます。

そんなガラス張りの先に広がるテラスへ出てみると、部屋と同じ横幅のスペースにデッキチェアとテーブルとデイベッドが置かれていて、リビングルームが外に造られているのかと思う程の癒しの空間。

テラスから臨む景色は、少し手が加えられた庭と奥深い森林。それぞれの木々のちょっとした色彩の違いが優しい緑のグラデーションを作り出していて、自然とはこんなにも繊細な美しさを持つのかと見入ってしまいます。

部屋のミニバーには、3種類の茶筒(紅茶と緑茶)があったので、一緒に置いてあったクッキーと共に、このテラスでティータイムを楽しむことにしました。

観光ばかりに時間を費やすのではなく、オーストラリアの自然に触れながら、我が家で暮らすようにリゾートステイを味わうことも今回の旅の目的だったので、その思いが実現できて本当に幸せな時間でした。

テラスから臨む空は、刻々と雲の模様が変わり、森林だけでなく空の変化にも目を奪われます。ティータイムを楽しんだ後は、デイベッドで寝そべりながら本を読んだり、鳥の鳴き声を聞きながら少しうとうとしたり。。。

ブルーマウンテンズの空気と自然に包まれながらゆったりと過ごすこの1日は、私にとって、確実に忘れることのできない大切な思い出の一つになりました。

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