2023年3月に滞在したナチュラルリゾート『コモ・ココア・アイランド(Como Cocoa Island)』の旅行記です。私が感じたことをテーマごとに書き綴っているので、ココア・ライフを少しでも感じていただけたら嬉しいです。
* * * * * *
サンドバンクとは、干潮時に海の浅瀬に現れる砂でできた島のことで、モルディブでは多くの場所でその姿が見られます。潮の流れで形が変化するので、丸形、楕円形、三日月形など形も様々で、その美しさに魅了されて以来、モルディブを訪れる度にボートでサンドバンクを訪れていました。
そんなサンドバンク好きの私が、ずっと気になっていたのが ”干潮時に1km以上も伸びるココアの砂州(サンドバンク)” 。ボートで訪れるサンドバンクで、そんなにも長く伸びる姿を見たことがなかったので、ココアに滞在すると決めた時から、どんな景色に出会えるのか楽しみで仕方ありませんでした。
ココアの砂州は、島の東側(地図の青丸印)にあり、先が見えないほど長く伸びています。
砂州の付け根部分には、茅葺屋根のパラソルがいくつか並べられていて、ココアのゲストは誰でも利用することができます。そしてその先に伸びているのが砂州(サンドバンク)です。
真っ白な砂州はエメラルドグリーンの海に一筋の線を描くように伸び、今にも海の色に滲んで消えてしまいそう。。あの先にはどんな景色が広がっているんだろうと胸が高鳴ります。
波打ち際に重なり合うように寄せてくる優しい波。その繊細な動きはいつまででも眺めていられます。
歩いても歩いても続く “白・青・エメラルドグリーンの世界”。たった3色のみの景色なのにどうしてこんなにも癒されるんだろう。。。と何度呟いたかわかりません。
ふと歩いて来た道を振り返ると、全く印象の異なる景色が広がっていて、朝の散歩でも感じましたが、ココアの砂州は、「島側から見た景色」と「砂州側から見た景色」の両方ともに魅力があります。砂州という少し離れた場所からココアを眺めていると、島の愛らしさや自然美を尊重しているココアの精神が伝わってきて、モルディブ本来の美しさとは何かを気づかせてくれる気がします。
また視線を砂州の先に戻すと、どこまでも広がるエメラルドグリーンの世界。
砂州に残る波の跡ですら美しさを感じてしまいます。
ココアの砂州を歩いていると、ちょっとした気付きがいくつかあって、たった数メートルの幅しかないのに、日によっては左右から打ち寄せる波の強さが違っていたり、
左右でそれぞれ海の深さが違うので、太陽が真上にある時は、色の違いが顕著にわかります。そんなちょっとした自然美に気付く度に小さな感動を味わっていました。
そして、、、ようやく見えてきた砂州の先端。
白い砂と青い海の幻想的なグラデーション、レースの様な波とその波跡、全てが調和し合った絵画の様な景色です。
ちなみに。。。
砂州の先に見える白いボートと複数の人影は、ココアのゲストではなく、すぐ近くにあるローカル島(マーフシ島)からの人たちです。モルディブでは数年前からローカル島に建てられたホテル(ゲストハウス)に滞在するという観光スタイルも注目を浴び始め、マーフシ島ではそんなゲスト向けにサンドバンクトリップを開催しており、ココアの砂州のその先に伸びるサンドバンクにやってくることがあります。実際、砂州は一度途切れても、また浮かび上がり、また途切れて、浮かび上がりを繰り返しているので、どこまでをココアの所有とするかの線引きは難しく、他ゲストがやってきても仕方ないかなと感じました。
ただ今回私が一番驚いたことは、ココアのスタッフが砂州の先端に椅子を置き、炎天下の中傘をさしながら、ココアの敷地に侵入しないか見張っていたこと。ここにいないと、ローカル島のゲストがどんどんココア側の砂州に入って来るんだそうです。ココアの環境を壊さないように努めてくれているスタッフの姿に胸が熱くなり、また一つココアの魅力を知るきっかけになりました。
私がローカル島のゲストを見かけた日は、ランチや部屋でまったりしているお昼~14時頃の時間帯だったので、砂州散歩には、朝日が昇る頃、海の透明度が高い午前中、夕暮れ時がオススメです。
誰もいない砂州も素敵ですが、ココアのゲストの人影が遠くに見える砂州も幻想的で私は好きでした。
そして、長い長い砂州を歩ききって、一番のお気に入りの景色に出会うことができました。
それは、、、『波と波が混じり合う場所』。
幅の狭くなった砂州に両側から波がやってくると、透明のベールを敷き詰めたような模様となり、その模様が刻々と変わり続けるんです。
この波が混じり合う姿は、穏やかな波でないと見られないし、ココアのように幅の狭い砂州がある程度の長さで伸びていないと出会えない光景です。
* * * * * *
ある日の午前中、砂州の先端まで歩いて島の方を振り返りました。丸くなった砂州の終わりに小さな波があらゆる方向からやってきていて、なんて繊細な波模様なんだろうと見惚れてしまいました。
くるぶし程度の浅い海の中をさらに進めば、また小さなサンドバンクが浮かび上がっていて、小さな波が幾重にも重なり合っています。
まだまだ浅瀬は続くので、さらなる先へ進むと、そこはもはや海ともサンドバンクとも呼べないような、波のベールに覆われたラグーンが広がっていました。
重なり合う波だけでなく、クリアな海の中にある砂紋も相乗効果となり、また異なる美しさを見せてくれるココアの砂州。
マーフシ島からの真っ白なボートが映り込むこの砂州の景色も、青と白のコントラストが際立っていてお気に入りの写真です。
レースのように重なりある波の先に見える愛らしい島の風景も、ココアならではの美しさ。
時間帯や太陽の高さが違えば、波の形も海の色も全く別の表情を見せてくれます。
限られた時間に船で訪れるサンドバンクとは異なり、幾通りもの美しさを味合わせてくれるのが、ココアの砂州(サンドバンク)。朝日に染まる黄金色の世界、日中の青と白の世界、夕日に染まるトワイライトの世界、どれも同じ景色はないので、ココアでは是非様々なモルディブの海を体感してみて下さい。