【モルディブ】Como Cocoa Island 2023 旅行記⑧ ~隠れたもう一つの魅力~

2023年3月に滞在したナチュラルリゾート『コモ・ココア・アイランド(Como Cocoa Island)』の旅行記です。私が感じたことをテーマごとに書き綴っているので、ココア・ライフを少しでも感じていただけたら嬉しいです。

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毎朝、部屋の扉を開けると、まず目に飛び込んでくる景色が水面に輝く光の輪と砂紋が広がるライトブルーの海でした。モルディブの海はどこも美しいですが、特にココアは干潮時になると海の底が浮き出るほど浅くなるので、ここが海であることを忘れてしまいそうな独特の美しさがあります。

水上ヴィラからビーチにかけては半透明に近い遠浅ラグーンが広がっていて、この優しい色彩こそが私が思い描いていたココアの景色でした。

いつもは下の写真手前にある桟橋を歩いて島内に向かうのですが、少し違う景色が見たくて、もう1本奥にある桟橋まで歩いてみることにしました。

湾曲した桟橋に立ち並んでいるのは「Loft Water Villa」という名の水上ヴィラで、プール付きヴィラの次に広い部屋タイプです。
自分の立っている場所から遠く先までずらっと並ぶ水上ヴィラの姿は均整がとれていて、私のヴィラ前から見る景色とはまた別の美しさがあります。

桟橋に沿って立ち並ぶ Loft Water Villa

もう少し先まで桟橋を進むと、「Dhoni Water Villa」「Dhoni Loft Water Villa」という名のヴィラが見えてきます。これらのヴィラは、Dhoniと呼ばれるモルディブの伝統的な船の形をしており、ココアと言えばドーニ型の水上ヴィラが真っ先に思い浮かぶ程、シンボル的存在になっています。

モルディブの伝統的な船(Dhoni)の形をした水上ヴィラ

いつもと違う道を歩くと、今まで気付かなかった景色に出会うことがあり、それは同じ島に長く滞在するモルディブだからこそできる楽しみ方で、この日も、そんな新しい景色との出会いに新鮮さを感じながら、桟橋を歩いていました。

等間隔に並ぶ水上ヴィラは、何だか電線に並ぶスズメたちのようにも見え。。( *´艸`)、レストランやバーの場所を記す道標はこの素朴な景色の邪魔にならないようナチュラルなデザインに統一されています。

そして、ココアに来るまでは、淡い水色の美しいラグーン、長く伸びる砂州、ハウスリーフ、モルディブの自然美を汚さないナチュラルさこそが、ココアの魅力だと思っていました。

ですが、島の中を歩いてみると、ココアの魅力はそれだけではないということに気付かされます。

ビーチから一歩島の中に足を踏み入れると、緑豊かな小道が広がり、道の真ん中にも椰子の木や背の低い木が生えています。ココアではゲスト用のバギーや自転車が走行することがないので、乗り物の往来を考えて道を整備する必要がなく、自由な姿で生えている木々をいくつも見かけます。

その為、島の中では、道を歩いているというよりは、木立の間を散策しているような気分でした。

木の影に誘われるように歩き進むと、茅葺屋根のレセプションがある広場に辿り着きます。
周囲には個性的なフォルムの木々が点在し、足元には絨毯のように木の影が広がり、どこを見てもココアの自然美が感じられる美しい空間です。

茅葺屋根のレセプションがある広場

レセプションの正面に伸びるメインジェティ(桟橋)。木々の間から見えるその佇まいは、一筋の曲線を描くシンプルなものですが、ココアの素朴さを表現するには、これ以上の装飾は必要なく、自然と調和し合う姿に思わず見惚れてしまいます。

再び島内に視線を戻し、レセプションのすぐ横には、エクスカーションやスノーケリングの際に何度か立ち寄ったマリンスポーツセンターがあります。
他のリゾートであればそんなに気に留めない施設なのですが、独創的に伸びる木の枝や、レース模様の木の影を見ているだけで心が癒され、木造りのテーブルセットが置かれたテラスもオープンカフェのような雰囲気があり、つい足を止めてみたくなる心地良さがありました。

そんな自然の中に施設が点在する島の一角に、ココアのスパ施設『Como Shambhala』があります。
マリンスポーツセンターと同じ木造りの看板が入り口に立てられており、その間の道を進むと、、、

緑濃い木々に囲まれたスパ施設が現れます。
頭上からは木の葉が降り注ぎ、まるで緑に祝福されているかの様な空間。

とんがり屋根の建物の中には、水圧で体をほぐせる設備が備わった温水のハイドロセラピープールがあり、身体を整える為だけでなく、スノーケリングやダイビング後に体を休ませたり、曇りや雨の日に海以外の楽しみ方の一つとして利用することもできます。

ハイドロセラピープールのある建物

同じ敷地内にある平屋の建物はスパのレセプションで、入り口の先には、ビーチとラグーンが見えます。緑に囲まれた場所にいても、木の切れ間からすぐに海が見えるのは、細長い島の形を生かしたココアならではの景色です。

スパのレセプションがある建物

レセプションの中は、天井が高く壁の仕切りがないので開放感があり、絶えず緑が目に入ります。木と白を基調としたナチュラルなインテリアには、お洒落なソファや籐のライトがさりげなく散りばめられているので、自然を感じながら、程よく大人気分も味わえるのがこのスパ施設の魅力です。

レセプションとは別の場所にあるトリートメントルームも木と白の落ち着いた色調で統一されており、カーテン越しに見える緑に心が和みます。

ハイドロセラピープールからも真正面に椰子の木などの木々が見え、外の広場には木を見上げながら寛げるブランコがいくつか設置されており、スパエリアのどこにいても緑が身近に感じられる造りになっています。

ハイドロセラピープール
スパエリアに作られたブランコ

このように、ココアの島内には ”緑溢れる空間” が広がっていて、小さな島ならではのコンパクトさもあるので、一人で歩いていても、木々が優しく見守ってくれているような安心感が感じられます。

「昼下がり、本を片手に島の中を散歩し、お気に入りのブランコやハンモックを見つけて読書を楽しむ。。。」

夫婦や友人との旅であっても、ふと島内の緑の中を歩いて一人時間を味わってみたい、そんな気持ちにさせてれるのが、ココアの自然です。

お昼時になると、お気に入りのカフェへ足を運ぶように、Ufaaレストランへと向かいます。

レストランへと向かう道は緑の木々に囲まれ、陽の光が差し込むと、一斉に木の影が浮き出て、より一層ゴージャスな道に生まれ変わります。ココア滞在中は、いつも木の影の美しさに見惚れていました。

レストラン前に広がる1枚のポストカードのような景色。
白いパラソルとその先に見える海とのコントラストが美しいのはもちろんのこと、その手前で優しく出迎えてくれる木の存在が、この景色をより一層引き立ててくれているのだと、いつも感じていました。

外のテーブル席では、大きな木がシェード替わりとなり、ほどよく影を落としてくれています。
レストラン側から見ると、その木の存在感はそれ程感じませんが、

離れた場所から見ると、レストランを覆う様に立っている木の大きさに驚かされます。そして、木の影好きの私としては、この大きな木が落とす影の美しさにもつい見惚れてしまいます。

モルディブではいつも朝食をしっかり食べるので、ランチを抜く日もあるのですが、ココアではこのUfaaレストランの雰囲気を味わいたくて、毎日ランチを食べに通いました。

ココアのアラカルトメニューはランチも種類が豊富で、前菜は8種類、スープ&サラダ、シーフード料理、サンドイッチ&バーガー、ピザ、パスタ&ヌードル&ライスは各5種類ずつ、グリル料理は6種類、デザートは6種類の中から選ぶことができます。

クリスピーチキンとトマトサルサのタコス

私たちが滞在中に食べたランチメニューの一例としては・・・

* クリスピーチキンとトマトサルサのタコス
* 肉の煮込みラグーソース・パスタ(ボロネーゼのようなもの)
* エビとトマトのシーフードパスタ
* クラシックシーザーサラダ
* ココアバーガー
* ナシゴレン
* ピッツァ・マルゲリータ など

お腹がそれ程空いていない時は、サラダとパスタを一品ずつ注文して、シェアする日もありました。

クラシック・シーザーサラダ
エビとトマトのシーフードパスタ
ココアバーガー & ナシゴレン

レストランはUfaaレストラン1箇所のみなので、朝・昼・夕食全て同じレストランで食べることになりますが、それでも飽きることなく自然と足がレストランへ向いてしまうのは、食事が私たちの好みに合っていたということだけでなく、ここに来ればココアの美しい自然を眺めながら食事が楽しめる・心が和むという雰囲気が広がっていたからだと思います。

Ufaaレストラン前に広がる景色を眺めながら食べるランチ。メインプールの周りに置かれたビーチチェアには、いつも数組のゲストが寛いでいて、ココアスタッフとの会話を楽しむゆったりとした時間が流れています。大小様々な木々が並ぶ姿も、他のリゾートではあまり見かけないココアらしい景色です。

レストランを出ると、水上ヴィラをバックに、3つの愛らしい木々が目に入ります。数年前にココアを訪れた方の写真を見るとこの木はまだ小さく、こんなにも存在感はなかったようですが、今は丸みのある形と影が魅力的なシンボルツリーに育ちました。

ランチを食べ終わり、島の中を歩いて帰ると、また木々の集まる広場にさしかかります。
ココアの木々はどうしてこんなにもユニークな形をしているんだろう。。と思わず笑みがこぼれそうになりながら、木々の間を縫う様に歩き、

木のゲートをくぐって、桟橋の先に出ると、、、

「これこそ、ココア!」
と思わせてくれるような、淡いブルーのラグーンに愛らしい水上ヴィラが立ち並ぶシンボル的な景色が広がっています。

ココアに訪れるまでは、美しいラグーンや砂州の印象があまりにも強く、まさかあの小さな島の中に海とは別の魅力があるとは思いもしませんでした。

ですが、、、島内には、気持ちをリフレッシュできる緑が広がっていて、わざわざバギーや自転車で繰り出すほどの距離もなく、一人で気軽に緑を味わいに行ける、そんな「身近に寄り添ってくれる自然」こそが、ココアの隠れた魅力だと、滞在してみて実感したのでした。

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