【モルディブ】Como Cocoa Island 2023 旅行記⑨ ~珊瑚の森 “Coral Garden”~

2023年3月に滞在したナチュラルリゾート『コモ・ココア・アイランド(Como Cocoa Island)』の旅行記です。私が感じたことをテーマごとに書き綴っているので、ココア・ライフを少しでも感じていただけたら嬉しいです。

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ココア滞在中にどうしても行ってみたかった場所がありました。それは『Coral Garden』。

ココアに滞在した方のSNSを見ていてふと目に留まったのが、生き生きとした珊瑚に囲まれた場所でスノーケリングをしている動画でした。ココアから少し離れた場所に珊瑚の美しいスポットがあるというのは聞いたことがあったのですが、その場所は定かではなく、海外の方の口コミを読んでいると ”Coral Garden” というワードが何度か出てきたので、リゾートにそのような場所が近くにあるのか事前に聞いてみました。すると、ココアから15~20分程の所に美しい珊瑚のスポットがあり、スノーケリングも可能とのこと。そこで、スピードボート2時間貸し切りのプライベートツアーで Coral Garden へのスノーケリングトリップをお願いすることにしました。

朝10:00にココアを出発。
出発時間は、海の透明度が高い午前中で朝食後少し休憩できるよう、10時発でお願いしました。ボートが出発すると、マリンスポーツセンターのスタッフの方から、今回は珊瑚の美しいポイントを2箇所ご案内しますとの説明がありました。1箇所目に到着するまでの間、スノーケルマスクがくもらない様、専用クリーナーで洗ってくれたり、お水を手渡してくれたりと、何かと気に掛けてくれます。
そして、約15分程でボートは減速し、「ここが1つ目のポイントです。さあ行きましょう!」という合図と共に、海に入ってみると。。。

真下に広がるのは、テーブル珊瑚の群生地帯!
まるで大きな丸い花のお花畑の上に浮いているかのようでした。

スタッフの方に先導されながらゆっくり進んで行くと、珊瑚の密度はどんどんと増していき、テーブル珊瑚だけでなく、ぴきぴきの枝珊瑚の姿も混ざるようになってきました。そんな珊瑚の上では、沢山の魚達が揺らめいていて、まさしく海の中の楽園です。

エルニーニョの影響でモルディブの珊瑚が大打撃を受けた2016年よりも以前では、リゾートのハウスリーフでもこのような生き生きとした珊瑚が沢山生息していました。ですが、2016年以降、一気に白化・死滅が進み、珊瑚の再生には長い年月がかかると聞いていたので、あの景色は当分見られないだろうと思っていました。
ですが、眼下には信じられない程の珊瑚の森が広がっていて、実際にこれ程の景色を見られるとは思ってもいなかったので、あまりの嬉しさにスノーケルをくわえながらも何度も「凄い!」と叫んでいました。

ドロップオフ沿いにもテーブル珊瑚が重なり合うように張り出していて、その先に広がる海底を覗いてみたくなるのですが、漆黒の海を見ていると吸い込まれそうになり、なかなか珊瑚と海の境界線を越えることはできませんでした。

透明度の高いクリアな海の中では、珊瑚のわずかな色の違いもはっきりと見え、テーブル珊瑚・淡い色彩の枝珊瑚・色鮮やかな小魚達が混ざり合う世界はあまりにも神秘的で、この上を泳ぐことすら少し躊躇してしまうほど神聖な雰囲気に包まれていました。

1枚1枚形の異なるテーブル珊瑚、
雪の結晶を集めてできたような枝珊瑚、
どれを見ても繊細な形をしていて、次から次と現れる自然の芸術作品にただただ見惚れるばかりです。

進んでも進んでも尽きることのない珊瑚の群生地帯。
世界的な気候変動で、海中世界も大きく変わろうとしている中でも、そんな逆風にひるむことなく生き続けようとする珊瑚の生命力には敬意しかなく、どうかこの先も生き続けて欲しいと願わずにはいられません。

しばらくすると、目の前の地形が少しずつ曲線を描くようになってきて、ふとドロップオフの方に目をやると、深くへ潜ろうとしているダイバーの姿が薄っすらと見えました。

上から見ているだけでも地形がダイナミックになってきているのがわかったので、この辺りではダイビングも楽しめるんだなぁと思いながら泳いでいると。。。

前方から赤い魚(恐らくホウセキキントキだと思うのですが)の群れがやって来て、青い海と褐色の珊瑚の中では、その色味と大きな目があまりに際立っていたので、そのインパクトの強さに一瞬ドキッとしてしまいました。

珊瑚の上を泳ぐ魚達だけではなく、珊瑚の間にも目をやると、
くすんだ黄色の体をもつゴマモンガラが岩をガジガジとかじりながら隙間を縫う様に泳いでいたり、

細長い体のヤガラ達が話し込んでいるのか、一つの場所に集まっていたり。。。

また、一つのテーブル珊瑚の上にだけ魚達が集まるという不思議な光景を目にしたり、ボートを降りて30分ほどスノーケリングをしただけでも、様々な海の表情を見ることができました。

次第に珊瑚の群生が少なくなってきたので、そろそろ1回目のスノーケリングの終わりが近いのかなと思いましたが、それでも尚スタッフの方の先導は続き、何があるんだろうと後をついていくと、

岩と岩の間を指さし、ウツボが顔を出しているのを教えてくれたり、

フワフワの毛布を思わせるようなイソギンチャク(?)があったり、

そして、珊瑚の下にタコがいるのを見つけると、私たちの水中カメラを手にし、タコが珊瑚の周りを動いている姿を動画に撮って、「君たちにタコを見せたくて探していたんだぁ」と笑顔で話されていました。

今回のスノーケリングトリップの時もそうでしたが、マリンスポーツセンターのスタッフの方に相談やお願い事をするといつも前向きな回答が返ってきて、 ゲストに少しでも素敵な思い出を残してあげたいというサービス精神のようなものを感じることが多々ありました。

タコを見せてくれたことも、ゲストを楽しませたいという思いからの行動で、今思い返しても、この方たちのおかげでスノーケリングトリップがより思い出深いものになったと実感しています。

その後また少し泳ぐと、珊瑚のひしめき合う場所に戻ってきて、1つ目のポイントはここで終了。
恐らく45分位泳いでいたと思います。
少し沖に出てボートが近づくのを待ち、再びボートに乗り込みました。

ボートで待ってくれていたスタッフ達からも「どうだった?」と聞かれ、「珊瑚が本当に綺麗で、様々な海洋生物も見られて感動しました」と伝えると、「ここは、そんなにボートがやってこないから静かにスノーケリングできていいよね」とおっしゃっていました。

確かに、周辺には私たちのボートとダイバー達のボートの2隻しかなく、混載のエクスカーションのように何人かで一緒に泳ぐこともなかったので、あの美しい珊瑚を私たちだけでゆっくり眺めていられたことはとても贅沢なことだったと思います。

ボートは再び出発、来た道を引き返すように15分程走り、遠目にココアが見える2つ目のポイントに到着しました。

スタッフの方の先導の下、海の中を覗いてみると、、、
そこにもまた陽の光に照らされる生き生きとした珊瑚が広がっていました。

ここは1回目よりも海面と珊瑚との距離が近かったので、明るい海の中で珊瑚を見ることができました。

しばらく進むと珊瑚がミルフィーユ状に重なり合っている場所があり、その姿だけでも圧巻の美しさだったのですが、周辺には花びらが舞い散るようにエメラルド色のデバスズメダイが無数に揺らめいていて、フラワーシャワーを浴びながら泳いでいるようでした。

それにしても、このデバスズメダイの体の色はどうすればこんなにも美しい色を発せられるのか。。。蛍光色を帯びたエメラルド色は、光の加減で緑色にも青色にも輝き、その姿はまさしく海の中の宝石です。

そんなデバスズメダイが群れているゾーンを抜けると、モルディブではお馴染みの魚達が、わずかな潮の流れに身を任せながら、テーブル珊瑚の上でゆらゆらと揺られていました。

この2つ目のポイントはウミガメが生息している場所でもあるそうで、スタッフの方が指さす方を見ると、1匹のウミガメが珊瑚沿いを泳いでいるのが見えました。
すると、スタッフの方が再び私たちの水中カメラを手に取り、深い所まで潜って、ウミガメの写真を数枚撮ってくれました。きっと、珊瑚と一緒にウミガメの姿を収めてくれたんだろうなぁ。。と思っていたのですが、部屋に帰って水中写真を見返してみると、、、

こんな素敵な1枚が。。(ノД`)・゜・。

ウミガメと珊瑚と小魚たち、、、そして、私たちのシルエット。

私たち二人だけでは到底撮ることのできないアングルで、今回のスノーケリングトリップを象徴するかのように、珊瑚と魚とウミガメまでもを入れてくれたこの写真は、間違いなくココア滞在の宝物の一枚となり、なんてステキな写真をプレゼントしてくれたんだろうと胸がいっぱいになりました。

本当にココアスタッフの皆さんには、感謝しかありません。

その後も、私がモルディブの中で一番好きな魚クマザサハナムロの小さな群れが、私たちの横を流れるように泳いでいったり、珊瑚と海洋生物との共演は尽きることがありません。

再び珊瑚の群生地帯に出ると、今度はなだらかなドロップオフに沿って、テーブル珊瑚が段々畑のように生息していました。

太陽の光が差し込み、海の中に光のカーテンが現れると、より一層神秘さが増します。

段々畑の珊瑚を真上から見下ろすと、先の見えない海底に引きこまれそうになり、何だか宇宙に似た果てしなさを感じてしまいます。

海底へとつながるドロップオフとは反対の浅瀬では、テーブル珊瑚が絨毯を敷き詰めたように群生していて、もはや珊瑚でできた海中都市を見せられているのかと思う程でした。

テーブル珊瑚がこれほどまでに大きく成長し群生する姿を目の当たりにすると、海の中で生きるものたちの命の尊さを感じずにはいられず、この海中世界を作り上げるのに、どれだけの時間がかかったんだろうと、思いを馳せてしまいます。

今回、ココアスタッフの方たちに連れてきてもらった『Coral Garden』は、

・南マーレ環礁でも素晴らしい珊瑚が生息
・珊瑚の美しさは無数に存在する
・海の中で生きる物たちへの命の尊さ
・美しい海中世界を人の手で汚してはならない

そんなことを切実に感じさせてくれる場所でした。

2つ目のポイントでも約40分程泳ぎ、スノーケリングトリップは終了。

ボートに戻ってからも、本当に訪れて良かったという思いでいっぱいで、この景色を見られただけでもココアを選んだ甲斐があったと思いました。

今回のエクスカーションを通して、珊瑚の美しさに魅了され、モルディブの他の環礁の珊瑚や、モルディブ以外の珊瑚も見てみたいという思いが強くなりました。だから、また機会があれば、珊瑚を見に行くスノーケリングトリップに参加してみようと思います。

参考までに、今回のプライベートトリップは、スピードボートを2時間貸し切りで、二人で約US700ドル(10%サービス料+16%GSTを含む)でした。(2023年3月時点 / 燃油高騰などで料金が変わることもあります)

ココアに滞在されることがあり、珊瑚に興味のある方は、是非、この『Coral Garden』に足を運んでみて下さい。

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